「設備設計の転職は難しい?」と悩む方も多いでしょう。設備設計は、建築物の機能や快適性を支える重要な役割を担うため、技術力や知識が求められる専門職です。
日本では、自然災害が多発していることから設備設計の需要は年々増加傾向にあります。そのため、経験者・未経験者ともに転職することは可能です。
そこで本記事では、設備設計の転職を成功させる方法をはじめ、設備設計に向いている人の特徴やおすすめの転職先を詳しく解説します。
設備設計の仕事内容
設備設計とは、建物の快適性と機能性を支えるために、空調、照明、給排水、電気、通信設備などを計画・設計する仕事です。具体的な業務は以下の通りです。
- 設備配置の計画
- 配管・配線設計
- 製品選定
- 設計図書の作成
- 施工管理
- 建築主との調整
近年では、省エネルギーや環境負荷低減の重要性が高まり、「ZEB」や「CASBEE」といった指標に基づいた設計が求められています。また、災害時の電力供給やエネルギー効率の最適化も課題となっています。
そのため、需要が高く、設備設計者には、技術的な専門知識に加え、コスト管理なども必要とされる仕事です。
設備設計の年収
厚生労働省が公表している「職業情報提供サイト jobtag」によると、設備設計ではないものの、建築設計技術者の平均年収は約632.8万円です。なお、建築設計技術者とは、建物の設計に携わる仕事全てに該当する仕事です。
そのため、設備設計だけでなく、意匠設計や構造設計の統計も含まれています。あくまでも参考程度にご覧ください。
以下の記事では、未経験から建築業界へ転職するためのポイントを紹介していますので、併せて参照ください。
設備設計の転職時に利用したい転職エージェント
設備設計の転職時に利用したい転職エージェントを5つ紹介します。自分に適したエージェントを選びましょう。
エージェント名 | 運営元 | 強み・特徴 |
JobTech for 建築業・土木業 | JobTech |
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建設転職ナビ | ヒューマンリソシア |
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建設キャリアプラス | 株式会社ツクリンク |
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建設・設備求人データベース | 株式会社クイック |
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建職バンク | 株式会社アーキベース |
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転職エージェント①JobTech for 建築業・土木業
「JobTech for 建築業・土木業」は、建築・土木業界に特化し、大手転職サイトには掲載されない非公開求人や独占求人を多数取り扱う転職エージェントです。未経験者向けのスキルアップ研修も提供されており、無料で受講可能。
設備設計者向けには、建築設計や構造設計、施工管理、CADオペレーターなどの職種で高単価案件も豊富に取り扱っています。業界特化のエージェントが転職活動をサポートするため、キャリアアップを狙いたい人やスキルを活かしたい人におすすめです。
転職エージェント②建設転職ナビ
引用:建設転職ナビ
建設転職ナビは、建設・不動産業界における求人数が業界屈指の多さを誇る転職エージェントです。設備設計を含む幅広い建設系職種の求人を扱っており、特に企業が匿名で募集する非公開求人が豊富なのが特徴です。
専任コンサルタントが書類作成や面接対策、年収交渉まで手厚くサポートしてくれるため、転職活動に時間をかけられない方や、現職と並行して転職活動を進めたい方に最適。スキルアップやキャリアアップを目指す人に向いています。
転職エージェント③建設キャリアプラス
引用:建設キャリアプラス
建設キャリアプラスは、建設業界専門の転職支援サービスで、資格を持つ求職者向けの求人が充実しています。1級・2級建築施工管理技士や電気工事士、建築士などの資格を活かせる案件が多く、大手ハウスメーカーのグループ会社や電気工事会社の求人も豊富です。
関東地域の求人が特に充実しており、未経験者向けの求人もあるため、資格を活かして転職したい方や、建設業界でキャリアアップを狙う人におすすめです。情報収集だけでも可能なので、初めての転職にも適しています。
転職エージェント④建設・設備求人データベース
建設・設備求人データベースは、施工管理や設備管理、設計など、設備設計職に特化した求人を全国的に取り扱うエージェントです。企業ごとの特徴や評価されるスキル、面接対策などの情報提供が充実しており、企業の詳細な待遇や社風、受注実績まで把握できるのが強みです。
企業別の面接指導や職務経歴書の添削も行っており、転職成功率を高めたい人や、自分に合った職場を慎重に選びたい人に向いています。
転職エージェント⑤建職バンク
引用:建職バンク
建職バンクは、建設業界に特化した求人サイトで、設備設計や施工管理、建築設計などの細かい職種に分かれた検索が可能です。業界経験豊富なキャリアアドバイザーがサポートしてくれるため、建設業界の転職市場に精通したプロのアドバイスを受けながら転職活動を進められます。
また、非公開求人の紹介もあり、短期間での内定獲得を目指せるため、すぐに転職をしたい人や効率的に転職活動を進めたい人におすすめです。
設備設計の転職に向いている人の特徴
設備設計の転職に向いている人の特徴は以下の3つです。転職する際の参考にしてください。
- 新しい技術やスキルを習得する向上心
- コミュニケーション能力
- 設計上の課題や問題を分析する能力
特徴①新しい技術やスキルを習得する向上心
設備設計の分野は、建築技術の進化や環境規制の変化に伴い、常に新しい技術や設計手法が求められます。というのも、設備設計ではCADソフトやBIMソフトを使用しますが、ソフト自体もアップデートが行われています。
アップデートがされると新しい機能が追加されることもあるため、機能を使いこなせなければ業務の効率化に限界が来てしまうのです。常に勉強する意欲や新しい技術やスキルを習得する向上心は必須と言えるでしょう。
おすすめのCADソフト
設備設計が活用するCADソフトはさまざまですが、主に以下3つのソフトがおすすめです。
- Rebro
- CRAFT CAD
- AutoCAD MEP
初心者におすすめなのは、AutoCADです。直感的な操作が可能で初心者にも扱いやすいのが特徴。AutoCADの操作画面は以下のようになっています。
AutoCADは主に図面を作成する際に使用されており、2次元だけでなく以下のような3次元でのモデリングも可能です。
AutoCADを使用してみたいという方は以下のリンクから、無料版をダウンロードできますのでぜひご利用してみてください。
特徴②コミュニケーション能力
設備設計は、単に図面を作成するだけでなく、建築主、建築設計者、施工管理者、設備メーカーなど、さまざまな関係者と協力しながら進める仕事です。そのため、自分の設計意図を明確に伝えたり、相手の要望を的確にくみ取るコミュニケーション能力が求められます。
また、プロジェクトの進行中には、コストや納期、設備の仕様変更に関する調整が必要になるため、関係者とスムーズに意思疎通ができるかどうかが業務の成功を左右します。建築主の希望する条件と技術的に実現可能であるかのバランスを取りながら、最適な設計を提案できる人は、設備設計の転職に向いていると言えるでしょう。
特徴③設計上の課題や問題を分析する能力
設備設計では、空調や電気、給排水などのシステムが建築物全体にどのように影響を及ぼすかを考慮しながら、最適な設計を行う必要があります。そのため、設計上の課題や問題を分析し、論理的に解決策を導き出せる能力が重要になります。
例えば、限られたスペースの中で効率的に配管・配線を配置する方法を考えたり、エネルギー消費を抑えつつ快適性を維持する設計を行うなど、さまざまな条件の中で最適な設計を導き出す必要があります。また、施工中や完成後にトラブルが発生した場合にも、原因を特定し、迅速に対応できる分析力と問題解決能力が求められます。
設備設計の転職を成功させるポイント
設備設計の転職を成功するには以下の3つのポイントを抑えましょう。
- 資格を取得する
- 転職エージェントを複数登録する
- 転職する理由や条件を明確にする
ポイント①資格を取得する
設備設計の転職では、専門的な知識とスキルが求められるため、関連する資格を取得することでスキルの証明になります。取得しておきたい資格は以下が挙げられます。
- 設備設計一級建築士
- 建築設備士
- 技術士
- 建築士
資格があることで年収アップやキャリアの選択肢が広がるため、転職を考える際には取得可能な資格をリストアップし、計画的に勉強を進めることが重要です。
ポイント②転職エージェントを複数登録する
転職の際には1つのエージェントに頼るのではなく、複数の転職エージェントを活用することが大切です。エージェントごとに取り扱う求人の種類や非公開求人の有無、サポート内容が異なるため、複数のエージェントを比較することで、理想の求人を見つけられる確率が高まります。
エージェントに登録後は、担当者との面談で希望条件を明確に伝え、書類添削や面接対策のサポートを積極的に活用することで、転職活動をスムーズに進めることができます。
ポイント③転職する理由や条件を明確にする
設備設計に限らずですが、転職を成功させるには転職する目的や希望条件を明確にすることが重要です。
例えば、「年収を上げたい」「ワークライフバランスを改善したい」「より大規模なプロジェクトに関わりたい」など、自分が何を求めているのかを整理することで、適切な求人を見つけやすくなります。
また、勤務地、仕事内容、企業の成長性、福利厚生など、自分が譲れない条件を事前に決めておくことで、転職後のミスマッチを防ぐことができます。転職エージェントを活用する際にも、明確な希望を伝えることで、自分に合った求人を紹介してもらいやすくなります。
ここで1つ注意したいのが、転職する理由や条件が多すぎると転職できる可能性は低くなるため、優先順位をつけるのがポイントです。
転職を成功させるポイントは以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
設備設計のおすすめ転職先
設備設計が転職できる業種や職種はさまざまです。ここでは主に3つの転職先を紹介します。
- 建設会社
- 設計事務所
- 設備保全会社
転職先①建設会社
建設会社での設備設計は、施工段階まで関わることができるため、自分の設計が実際の建物として形になる過程を直接確認できるのがメリットです。また、設計だけでなく施工管理やコスト調整にも携わることが多く、プロジェクト全体を俯瞰できるスキルが身につきます。
大手建設会社では、大規模な商業施設や公共施設の案件が多く、安定した雇用や高年収が期待できるため、幅広い経験を積みながらキャリアアップしたい人におすすめです。
転職先②設計事務所
設計事務所での設備設計は、建築設計者と密に連携しながら、設備の最適な配置や機能性を追求する専門性の高い業務を担当できます。自由度の高い設計が可能で、デザイン性と機能性を両立させた提案を行えるのがメリットです。
特に、BIMや環境配慮設計の知識を活かせる場面が多く、スキルの幅を広げやすいでしょう。自分の設計力を高め、意匠設計や構造設計と連携しながら設備設計を極めたい人に向いています。
転職先③設備保全会社
設備保全会社では、オフィスビルや商業施設、工場などの建築設備の維持・管理を担当し、安定した需要があります。設計業務だけでなく、既存設備の更新や効率化の提案も行うため、省エネ技術やメンテナンスの知識が身につきます。
特に、長期的な視点で建物の運用に関わるため、安定した職場環境を求める人や、設計だけでなく実際の設備運用に興味がある人におすすめの転職先です。
設備設計の転職についてのまとめ
設備設計の転職は、技術力や専門知識が求められるものの、需要の高まりにより経験者・未経験者ともに十分チャンスがあります。成功するためには、資格の取得や転職エージェントの活用、明確な転職理由の整理が重要です。
転職を考えている方は、本記事で紹介したポイントを参考にし、転職を成功させましょう。また、どの転職エージェントを利用するか迷った場合は建築業・土木業界に特化した転職支援サービス「ジョブテック for 建築業・土木業」の利用を検討してみてください。
