AI(人工知能)は近年、さまざまな業界で急速に導入が進んでいますが、同時に知識やスキルを証明できる「AI資格」も注目を集めています。資格を取得することでキャリアアップや転職でも大きな強みとなるでしょう。
しかし資格といえど初心者向けの資格からグローバルに通用するものまで多種多様で「どれを選べばよいのか?」と悩む方も少なくありません。本記事では、初心者におすすめのAI資格ランキングをご紹介します。
AI資格とは何?
AI資格はその名のとおりですが、AIに関する資格のことをいいます。人工知能(AI)に関する専門知識やスキルを習得し、それを証明するための認定制度といってもいいでしょう。
AI資格は2025年1月現在で国家資格はなく、主に大手企業や業界団体が運営するものが多いです。ディープラーニングや機械学習などの基礎理論から実際の開発や運用にいたるまで、幅広い内容をカバーします。
資格を取得することで自身のAI技術に対する理解度や実務経験を客観的に証明でき、キャリアアップや転職活動においても有利に働くメリットが得られます。なお未経験からAI業界に転職したい方は、以下の記事が参考になるので、ぜひご一読ください。
AI資格ランキング【初心者におすすめ】
この章では、初心者におすすめのAI資格ランキングとして、以下の3つをご紹介します。
資格名称 | 運営元 | おおよその合格率 | 受験料 |
G検定 | 日本ディープラーニング協会(JDLA) | 約60〜70% | 13,200円(税込) |
データサイエンティスト検定 | 一般社団法人 データサイエンティスト協会 | 約50〜60% | 11,000円(税込) |
統計検定3級 | 一般社団法人 日本統計学会 | 約55〜65% | 6,000円(税込) |
1位:G検定
ランキング1位のG検定は、日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催するAI資格の中でも、ディープラーニングや機械学習の基礎知識を中心に幅広く問われる試験です。
プログラミング経験がなくても挑戦可能で、AIの理論や歴史、社会実装の事例など、初心者が総合的に学べる点が特徴となっています。合格すればAIリテラシーを客観的に示せるため、就職や転職でのアピール材料として重宝するでしょう。
これからAI関連の職種を目指す初心者にとって、AI全般の基礎固めとしても最適な資格です。
なお未経験からG検定の取得を目指している方は、ぜひ「G検定対策講座」をご活用ください。こちらは最短2日間でG検定合格を狙う集中講座で、最新のAI理論やディープラーニングの要点を効率よく学べます。
実践的なカリキュラムと専門スタッフによるサポートで合格を強力にサポートしており、受講後は模擬試験を経てG検定に挑戦でき、AI初心者からでも確実にスキルを伸ばせる内容に仕上がっています。
2位:データサイエンティスト検定
ランキング2位のデータサイエンティスト検定は、データ分析の基本理論からビジネス活用までを網羅し、統計学や機械学習を活かしたデータ活用の実践力を問う資格です。
受験者は、データの取得・加工・可視化からモデル構築・評価といったプロセスを理解し、意思決定に活用する能力を示すことが求められます。AIの領域に踏み込む前に、まずはデータの扱いに慣れたいと考える方や、マーケティング領域での分析業務に関わりたい方におすすめです。
「データサイエンティストセミナー」は、最短2日間でデータサイエンティストに必要なスキルを学べる集中講座です。会場・ライブウェビナー・eラーニングの3形式から選択可能で、統計学やPythonの基礎、機械学習を含めた実践的カリキュラムをカバーしています。
未経験者でも短期間でビジネス課題解決の手法を身につけられる内容となっているので、ぜひご検討ください。
3位:統計検定3級
ランキング3位の統計検定3級は、統計学全般の基礎知識を問う資格であり、平均・分散といった基本的な統計量から、簡単な仮説検定や確率分布に関する問題まで幅広く学べます。
AIや機械学習の背景には統計理論が深く関わっているため、これらの分野へ進むうえでも統計的な素養は欠かせません。プログラミングや実装というよりは、数理的な根拠を理解することが中心なので、文系理系を問わず入門的なステップとして挑戦しやすい点が特徴といえます。
AI資格ランキング【実用性】
この章では、「実用性の高いAI資格」のランキングとして、以下のとおり見ていきましょう。
資格名称 | 運営元 | おおよその合格率 | 受験料 |
AI実装検定 S級 | 一般社団法人 AI実装推進協会(推定) | 約70%前後 | 33,000円(税込) |
E資格 | 日本ディープラーニング協会(JDLA) | 約65〜70% | 33,000円(税込) |
Python3エンジニア認定データ分析試験 | 一般社団法人 Pythonエンジニア育成推進協会 | 約60〜70% | 11,000円(税込) |
1位:AI実装検定 S級
ランキング1位のAI実装検定 S級は、機械学習や深層学習の理論より、実運用におけるデータ処理やプロジェクト管理、顧客課題への適用力が問われる資格試験です。
実際のビジネスシーンを想定した試験構成になっており、取得者は「すぐにAIを使って成果を出せる人材」として評価されるのが大きな特徴です。
2位:E資格
ランキング2位のE資格は、日本ディープラーニング協会(JDLA)の認定プログラムで、ディープラーニングを中心とした高度なAI理論と実装スキルを習得していることを証明します。
理論をしっかり押さえたうえでコードによる実装も行うため、実務での性能最適化や新技術の取り込みに強い人材としてアピールすることが可能です。企業からは先端技術をリードできる存在として高く評価されるため、実用性が高い資格です。
「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」は最短4日~1カ月でE資格の合格を目指せるJDLA認定講座で、数学やPythonの基礎からニューラルネットワーク、画像認識、RNNなどの実装演習を通じて深層学習を体系的に習得できます。
わかりやすい解説、膨大な試験対策問題、返金保証制度などサポートが充実しており、合格率83%以上という高い実績を誇ります。
3位:Python3エンニア認定データ分析試験
ランキング3位のPython3エンジニア認定データ分析試験はPythonを使ったデータ解析に焦点を当てた資格で、PandasやNumPyといった主要ライブラリの活用や基礎統計・機械学習の基本を問われます。
実際のビジネス課題で扱うデータ前処理や可視化に直結し、即戦力になりやすいのが特徴。AIプロジェクトで大部分を占めるデータ分析工程を効率的に進められるスキルを証明する点で、実用性に優れています。
「Python基礎セミナー講習」は、最短2日間でPythonを基礎から応用まで習得できる短期集中講座です。会場・ライブウェビナー・eラーニングの3形式から選べ、未経験者でも実務で使える技術が学べます。
環境構築からスクレイピング、データ分析、画像処理、RPA自動化まで網羅し、「Python3エンジニア認定基礎試験」などの資格対策にも最適ですので、ぜひ以下のリンクから詳細をご覧ください。
AI資格ランキング【グローバル編】
続いて、グローバルで役立つAI資格のランキングとして、以下のとおり3つご紹介します。
資格名称 | 運営元 | おおよその合格率 | 受験料 |
AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentals | Microsoft | 非公開(推定60〜70%) | 約13,200円(税込) |
AWS Certified Machine Learning – Specialty | Amazon Web Services | 役50〜60% | 40,000 円 (税込) |
Professional Data Engineer | Google Cloud | 非公開(推定60〜70%) | $200 |
1位:AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentals
ランキング1位のAI-900は、Microsoft AzureにおけるAIサービス全般の基礎を学べる入門資格です。コーディング経験がなくても受験可能でAzure Cognitive Servicesを中心に機械学習や自然言語処理などの概念を幅広く理解できます。
Azure環境でAI開発を行う際に役立つ知識が体系的に学べるため、クラウド導入を検討している企業やプロジェクトでの評価も高いのが特徴です。初心者がAIの全体像を素早く把握し、クラウド上での活用イメージをつかむのに最適な資格でもあります。
2位:AWS Certified Machine Learning-Special
ランキング2位のAWS Certified Machine Learning – Specialtyは、Amazon Web Services上での機械学習ワークロード構築や運用に特化した資格です。データ収集・分析からモデルのトレーニング、デプロイ、モニタリングまで、一連のパイプライン構築をAWSサービス群で実践できる能力を証明します。
ビッグデータの処理やセキュリティ設計など、大規模環境での実用に焦点が当てられているのが特徴となっています。多くの企業がAWSを利用しているため、即戦力として評価されやすく世界的に通用する資格としてランキングに食い込んでいます。
3位:Professional Data Engineer
ランキング3位のProfessional Data Engineerは、Google Cloud上でのデータパイプライン設計・管理や機械学習モデルの運用までを総合的に扱う上級者向け資格です。データの取得、変換、格納といったETL工程からビジネス要件を満たす最適なアーキテクチャ設計までを幅広くカバーしています。
可用性やスケーラビリティ、セキュリティといったクラウド特有の観点も問われるため、大規模システムへの対応力を示せます。Google Cloudを活用する企業での需要が高く、グローバルに評価されるエンジニアを目指す人におすすめです。
なお、以下の記事でもAIエンジニアに役立つ資格を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
AI資格をとるために持っておきたい知識
上記のランキングで紹介したAI資格をとるにあたって、あらかじめ備えておきたい予備知識があります。この章では、それらを以下のとおりご紹介します。
- 応用数学の知識
- プログラミングの知識
- 機械学習よおびディープラーニングの基礎
知識①応用数学の知識
上記のランキングで紹介したもの含めたAI資格の多くでは、線形代数や微分・積分、確率・統計などの応用数学がベースとなっています。たとえば行列演算や偏微分の理解は、ニューラルネットワークや勾配降下法などのアルゴリズムを正しく把握するために必須だったりします。
単なる公式の暗記にとどまらず、「なぜその計算が必要なのか」「どういう場面で使われるのか」を意識して学ぶことで、理論と実装の両面で大きく役立ちます。
知識②プログラミングの知識
上記のランキングで紹介したようなAI資格を目指すなら、Pythonをはじめとするプログラミングの知識が求められることが多いです。Pythonは機械学習やディープラーニング向けの豊富なライブラリ(NumPy、Pandas、TensorFlowなど)が整っており、学習コストが比較的低いことから、AI開発現場でもよく用いられているからです。
基本的な制御構文から、モジュール管理、コードの最適化まで、一連の流れを習得することで実践力が格段に高まります。
知識③機械学習よおびディープラーニングの基礎
上記のランキングで紹介したようなAI資格のカリキュラムには、回帰や分類などの機械学習モデルに加え、ディープラーニング特有のネットワーク構造や学習手法がほぼ必ず含まれます。
まずは
- 教師あり・教師なし学習の違い
- 損失関数
- 勾配降下法
- 誤差逆伝播
など、基本的な概念を押さえることが重要です。
そこからCNNやRNNなどの代表的なディープラーニング手法へ発展し、実際に実装しながら理解を深めることで、試験でも実務でも活かせる力が身につきます。
種類別AI資格ランキングまとめ
本記事では、初心者向け、実用性、グローバルな視点からAI資格をランキング形式で解説し、それぞれの特徴や必要な知識について詳しく紹介しました。本記事のランキングを参考に自分のキャリアや目標に合った資格を目指し、必要な知識を身につけることでAI業界での活躍の幅を広げることができます。
本記事で紹介したものはすべて応用数学、プログラミング、機械学習やディープラーニングの基礎知識が求められるため、AIの実務で確実に役に立つはずです。ぜひ気になる資格を見つけ、挑戦してみてはいかがでしょうか。
