「未経験から機械設計へ転職はできる?」「取得が必須な資格はある?」と疑問に思う方もいるでしょう。機械設計は製造過程の中で上流の役割を担い、自分の描いたアイデアを形にできることから、やりがいのある仕事の1つです。
本記事では、未経験から機械設計の転職を目指す方法や、転職を有利に進めるおすすめの資格やスキルを紹介します。転職活動をスムーズに進められる方法がわかる記事となっていますので、最後までご覧ください。
機械設計の仕事内容
機械設計とは、機械の動く仕組みを構築する仕事です。CADを用いた設計、CAEによるシミュレーションを行い、製品の仕様を具体化します。例えば、外が暗くなると自動で車のライトが点灯する仕組みも機械設計の1つです。
また、一口に機械設計と言っても細かな仕事内容は主に以下4つに分類されます。
概念設計 | 製品のコンセプトを決定 |
基本設計 | 構造や部品の素材を選定 |
詳細設計 | 精密な図面を作成 |
プロトタイプ試作 | 試作品を作り、動作確認を実施 |
どの過程においても、重要な役割を担うためやりがいのある仕事と言えるでしょう。
機械設計の年収
厚生労働省が公表している「職業情報提供サイト jobtag」によると、機械設計の平均年収は612.4万円です。年収は資格の有無や経験年数によって、平均年収以上を狙うことも可能です。
ただし、地域や企業によって変動するため、求人に掲載されている賃金を確認してみましょう。
機械設計への転職は未経験だと難しい?
結論から言うと、機械設計への転職は未経験からでも十分可能で、取得しなければいけない資格もありません。しかし、企業によっては資格の保有を条件としている場合もあります。
また、未経験から挑戦する場合、3DCADの操作スキルや機械設計の基礎知識を習得し、入社意欲をアピールする必要も。実務で身につけられるスキルや知識の方が多いため、未経験でも入社後に教育をしていければ良いと考える企業も多いです。
しかし、機械設計は専門知識が必要になる職種のため、経験者に比べると転職が不利になることは否めません。そのため、未経験を積極的に採用している企業を選ぶことが重要です。
転職が難しいのでは?と感じている方は以下の記事を合わせて参照ください。
未経験から機械設計への転職を成功させる方法
未経験から機械設計の転職を有利に進めるためには以下3つの方法を行いましょう。
- 資格を取得する
- 転職エージェントを利用する
- 自己分析や企業研究を行う
方法①資格を取得する
機械設計への転職に資格は必須ではありませんが、取得することで知識を証明し、転職を有利に進めることができます。また、資格取得を通して、業界や業務への理解を深められるでしょう。
特に3DCADのスキルは設計業務で必須のため、実際に操作できることを証明できれば未経験でも採用されやすくなります。ここでは、おすすめの資格を3つ紹介します。
技術士
技術士は公益社団法人 日本技術士会が主催する「科学技術の専門知識と応用能力を持ち、高い倫理観を備えた技術者」に与えられる国家資格です。
取得には「技術士第一次試験」と「技術士第二次試験」に合格する必要があります。第一次試験は基礎知識を問う内容で、合格者は「技術士補」となります。第二次試験では高度な専門性と実務経験が求められ、合格すると正式に「技術士」として認定されます。
国家資格であるため認知度も高く、機械設計の転職が有利になるでしょう。
機械設計技術者
機械設計技術者は、安全かつ効率的な機械を設計する技術者であり、設計能力の向上と社会的評価を目的としたものです。
試験は一般社団法人日本機械設計工業会による公的資格で、1級・2級・3級に分かれています。1級は高度な設計業務、2級は計画設計、3級は補助設計を対象とします。未経験者や学生でも3級から受験可能で、資格取得により技術力の証明やキャリアアップにつながるため、機械設計分野での活躍を目指す人におすすめの資格です。
CAD利用者技術試験
CAD利用技術者試験は、CADの知識や技能を証明する資格試験で、2次元と3次元に分かれています。
3次元CAD利用技術者試験は、設計・製造分野のエンジニア向けに、モデリングや設計のスキルを評価し、1級・準1級・2級に分かれています。2次元CAD利用技術者試験は、基本的な図面作成能力を問う試験で、1級と2級が用意されています。
資格取得により、設計・製図のスキルを証明でき、機械・建築業界でのキャリアアップで有利になる資格です。
方法②転職エージェントを利用する
未経験から機械設計の転職を目指す場合、未経験の転職に強い転職エージェントを活用するのが転職を成功させるポイントです。
特に製造業の転職に特化しているエージェントは、未経験者を積極的に受け入れている企業や面接対策、履歴書・職務経歴書の添削などをサポートしてくれます。また、未経験向けの研修制度が整っている企業を紹介してもらえる可能性も高いです。
転職成功率を上げるために、複数のエージェントを活用し、自分に合った企業を見つけることが大切です。
方法③自己分析や企業研究を行う
未経験から機械設計へ転職するには、自分の強みや適性を理解し、適した企業を見つけることが重要です。
自己分析を通じて「なぜ機械設計を目指すのか」「どのようなスキルや経験が活かせるのか」を整理しましょう。自己分析をすることで、面接時に説得力ある回答ができます。また、企業研究では、募集要項や求めるスキルを確認し、未経験者を積極採用している企業を探します。企業が求めている人材を理解することで、面接時に的確なアピールができ、転職成功の可能性を高めることができます。
転職を成功させるコツについては以下の記事で詳しく解説していますので、ご一読ください。
機械設計への転職で活用したい転職エージェント
機械設計への転職を成功させるには転職エージェントの選定が重要です。ここでは、未経験の機械設計に強い転職エージェントを3つ紹介します。
運営元 | 強み | |
JobTech for 製造業 | Job Tech |
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マイナビメーカーエージェント | 株式会社マイナビ |
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ジョブハウス工場 | techouse |
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エージェント①JobTech for 製造業
「ジョブテック for 製造業」は、製造業界に特化した転職支援サービスで独占求人・非公開求人を多数取り扱っています。大手転職サイトには掲載されない優良企業や成長企業の求人を提供できる点が強みです。
また、業界に精通した専門エージェントが、求職者のキャリアに合った求人を紹介し、内定まで無料でサポートします。未経験者向けの教育研修制度があり、スキルアップしながら転職活動を進めることが可能です。経験者はもちろん、未経験者でも安心して製造業界へ挑戦できるのが特徴です。
エージェント②マイナビメーカーエージェント
「マイナビメーカーエージェント」は、製造業やものづくりエンジニアの転職支援に特化したサービスです。半導体・電気機器・自動車・化学業界をはじめ、多くのメーカー求人を取り扱い、大手企業からベンチャー企業まで幅広く選択できます。
登録後は業界に精通したエージェントが個別面談を行い、希望条件に合った求人紹介やキャリア相談を実施。独自のネットワークを活かした非公開求人も多く、他では得られない希少な情報を提供できる点が強みです。製造業界での転職を目指す方に最適な転職支援サービスです。
エージェント③ジョブハウス工場
引用:ジョブハウス工場
ジョブハウス工場は、工場・製造業に特化した求人サイトで、業界No.1の求人数。大手企業や安定企業の求人が多く、経験不問の案件も豊富なため、未経験からの転職にも適しています。
正社員・派遣・アルバイトなど多様な雇用形態の求人が揃い、希望条件を細かく設定して検索できる点も強みです。また、専門のキャリアアドバイザーにLINEや電話で相談でき、履歴書の書き方や面接対策などのサポートを受けられるため、一人での転職活動が不安な方にも最適なサービスです。
機械設計への転職に必要なスキル
最後に機械設計への転職に必要なスキルを紹介します。必須ではないものの、スキルを習得しておけば有利に転職活動を進められるでしょう。
- 4大力学に関する知識
- パソコンスキル
- CADの操作スキル
スキル①4大力学に関する知識
4大力学とは、機械力学・熱力学・材料力学・流体力学を指します。4大力学は、機械の強度や動作、熱や流体の流れを考慮し、適切な設計を行うために必要な基礎知識です。
設計する機械の種類によって重視する力学の分野は異なりますが、すべての機械設計に共通する重要な要素です。機械系の学習経験がない場合でも、基礎的な理解を深めておくことで、実務においてスムーズに対応できるようになります。
スキル②パソコンスキル
機械設計では、パソコンを使った設計業務が主流となっており、基本的なパソコンスキルが必要です。CADやCAEを活用する場面が多いため、これらのツールを扱えると転職時の強みになります。
また、ExcelやPowerPointを使って設計データを管理したり、プレゼン資料を作成することも求められます。パソコンスキルがあることで、設計業務を効率的に進めることができるため、基礎的な操作から専門的なソフトウェアまで、幅広く習得しておくことが重要です。
スキル③CADの操作スキル
機械設計の現場では、設計や製図をCADソフトで行うのが一般的です。習得におすすめのCADソフトは「Autodesk Fusion」や「NX」が挙げられます。ここからは簡単にAutodesk Fusionの解説をします。
以下の画面はAutodesk Fusionの作業画面です。
まずは、正方形を作成していきます。正方形はスケッチ作成で四角形を作成して、スケッチ終了をクリック。
その後、押し出し機能を使用して、四角形を作成します。
あくまでも基礎的な操作なので、まずは以下のようなナットを作成できるレベルを目指しましょう。
Autodesk Fusionのダウンロードは以下のリンクから可能です。
Autodesk Fusionセミナー講習
CADの操作を独学の習得するのは簡単ではありません。最短でも1ヶ月、長ければ半年から1年ほど習得にかかる場合も。未経験者の場合、CAD操作を短期間で習得するのであれば、セミナーの受講がおすすめです。そこでProskilllが運営する「Autodesk Fusionセミナー講習」を紹介します。
Autodesk Fusionセミナーは、Autodesk公認の2日間集中講座で、未経験者でも短期間で3DCADの基礎から応用操作まで習得できるのが特徴です。会場受講・ライブウェビナー・eラーニングの3つの受講形式から選択可能で、修了後は公認証明書が発行されます。
機械設計に必要な設計変更、応力解析、アセンブリ設計など即戦力となる技術を習得できる実践的なセミナーです。
受講形式 | 会場受講・ライブウェビナー・eラーニング |
受講費用 |
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セミナー到達目標 | 【1日目】
【2日目】
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持ち物 | 特になし |
会場住所 |
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未経験から機械設計の転職についてのまとめ
未経験から機械設計への転職は可能ですが、成功させるには「資格の取得」と「適切な転職エージェントの利用」がおすすめです。未経験者向けの転職エージェントを活用し、専門家のサポートを受けることで、よりスムーズに転職を進められるでしょう。
未経験からの機械設計転職を目指すのであれば本記事で紹介した製造業界に特化した転職支援サービス「JobTech for 製造業」の利用を検討してみてください。
