営業職は、求人数が多く、未経験者でも比較的転職しやすい職種として知られています。
しかし、営業職は、製造業からサービス業、IT、金融、不動産など、多岐にわたる業界を対象とするため、「営業の転職でおすすめの業界は?」「自分に向いている業種は?」と迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、営業職への転職におすすめの業界を目的別に6選ご紹介します。
営業職への転職時に求められるスキルや成功のコツもお伝えするので、転職先に営業職を視野に入れている方はぜひ参考にしてください。
営業職はなぜ転職しやすいのか?
営業職が転職しやすいと言われる最大の理由は、求人数の圧倒的な多さにあります。
営業の求人数が多い理由
しかし、なぜ営業の求人数が多いのでしょうか。
それは、営業の仕事が企業の収益に直結するということが大きな要因です。
営業の本質は「物を売る力」であり、この能力は、製造業、IT業界、不動産、金融サービスなど、あらゆる業界で必要とされます。
営業職は競争も激しい
見方を変えると、多くの企業が営業職を求めているということは、それだけ競争が激しい業種といえます。つまり、利益創出につながらなければ淘汰される厳しい現実があるのです。
そのため、営業職への転職を考える際には、自分の強みや興味のある業界はもちろん、「ワークライフバランスを重視したい」「高収入を得たい」など、目的や希望などをしっかりと考え、自分に合った業界を選ぶことを心がけましょう。
ワークライフバランス重視の方におすすめの営業転職先
まずは、ワークライフバランスを大切にしたい方に向けて、働きやすさや業務負担の軽さが魅力の営業職に適した業界を3選ご紹介します。
プライベートを充実させて営業職に携わりたい方にもおすすめです。
業界 | 主な取引先 | 主な特徴 |
インフラ | 電力、ガス、通信、鉄道など |
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化学 | ゴム製品、樹脂素材など |
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食品 | 飲料、菓子、調味料など |
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①インフラ業界
ワークライフバランス重視の方は、転職先の選択肢にインフラ業界を入れましょう。
インフラ業界の営業は、ルート営業が中心です。
加えて、電力会社やゼネコン、自治体など、顧客の需要が安定しているため、比較的穏やかな働き方ができます。
インフラ業界は、福利厚生や働きやすさが充実している大手企業の多さも魅力です。
ただし、業界全体に従来型の企業体質が根強く、中途採用よりも新卒採用を重視する傾向があるというデメリットも存在します。
②化学業界
ワークライフバランス重視で転職したい方は、化学業界もおすすめです。
化学業界は、ゴム製品や樹脂素材といった化学製品を販売する業界で、自動車メーカー、家電メーカーなどが主な取引先です。
営業の仕事内容は、販売調整が中心で、既存顧客との関係維持が重要となります。生産量が決まっているためノルマも比較的緩やかですが、こちらも新卒採用を重視する傾向があるので、長期戦で転職活動に取り組みましょう。
③食品業界
ワークライフバランス重視の方は、食品業界を転職先に選ぶのも良いでしょう。
食品業界の主な営業取引先は、飲料水や調味料メーカーなど、人々の生活に密接に関わるので、安定した需要が見込めます。
参入障壁が高く、新規参入が少ないことから、営業ノルマも比較的穏やかです。営業スタイルはルート営業が中心で、卸業者が間に入って在庫調整を行うため、営業担当者は比較的軽い負担で業務に取り組めます。
高収入を目指す方におすすめの営業転職先
次は、「営業職へ転職してしっかり稼ぎたい」という方におすすめの業界を3選ご紹介します。
高収入を目指せる業界は、実力主義の傾向が強いため、営業力に自信がある方の転職にもおすすめです。
業界 | 主な業務内容 | 主な特徴 |
不動産 | 不動産売買、賃貸仲介など |
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生命保険 | 生命保険の販売 |
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証券 | 金融商品の販売 |
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①不動産業界
営業職の転職で高収入を目指したい方は、不動産業界がおすすめです。不動産売買の営業は、1回の取引で高額の手数料が発生するため、実力次第では年収1000万円以上狙えます。
求人数も多く、学歴不問で門戸の広い業界ですが、成果が収入に直結するためノルマが厳しく、今の時代でもテレアポや飛び込み営業を踏襲している企業も少なくありません。さらに、土日出勤も多く、粘り強さと努力が求められます。
②生命保険業界
生命保険業界も高収入を狙える営業職の一つです。契約獲得に応じたインセンティブが非常に大きく、フルコミッション制の会社では契約次第で収入が青天井になります。
外資系保険会社では平均年収が1000万円を超える場合もあり、営業トップクラスは年収1億円超の実例もあります。反面、結果を出さないと収入につながらない完全実力主義なので、営業職の中でも特にハイプレッシャーな業界といえるでしょう。
③証券業界
証券業界の営業も、実力次第で高収入が望めます。
特に、富裕層を対象に金融商品を提案する「個人向けリテール営業」は、高額の成約が収入に直結するハイリターンなポジションです。
証券業界はテレアポや新規訪問が多く、契約金額だけではなく契約数も営業成績に深く関与するため、ストレスが大きく「3年持てばすごい」といわれています。
ただし、成果を出せば20代でも年収1000万円を実現できるため、金融知識を活かしながら、チャレンジングな環境で稼ぎたい方には最適な業界といえるでしょう。
営業職への転職で求められるスキル
ところで、営業職での転職にはどのようなスキルが必要なのでしょうか?
特に、初めて転職で営業職を目指す方は、事前に必要なスキルを把握しておきたいものです。
以下では、営業職の転職で必要とされる5つのスキルについて解説していきましょう。
- コミュニケーション能力
- 提案力
- 課題解決能力
- タイムマネジメント力
- ストレス耐性
①コミュニケーション力
営業職への転職では、顧客と信頼関係を築くための高度なコミュニケーション力が重要です。
コミュニケーション能力というと、「会話が得意な人」や「人懐こい人」といったイメージを持つかもしれません。しかし、営業で求められるコミュニケーション能力とは、顧客の言葉の表面的な意味だけでなく、その裏に隠された本音を理解し、適切な対応ができる能力のことです。
具体的には、顧客の表情や仕草を読み解き、課題を察知して寄り添う共感力。そして、相手の話を遮ることなく最後まで聞き、真意を汲み取る傾聴力などが挙げられます。
②提案力
営業職への転職を目指すなら、提案力の高さも重要なポイントです。
提案力とは、顧客のニーズを深く理解し、自社サービスを効果的に結びつけるスキルです。
提案力があると、業界動向や競合情報、顧客企業の経営状況を調査し、具体的かつ説得力のある解決策を提示できます。顧客からの信頼獲得に絶大な効果を発揮するため、営業職で欠かせないプレゼンテーションの場で大いに活かされるでしょう。
③課題解決力
課題解決力は、営業職での転職において重要なポイントです。
営業職では、顧客が抱える問題を深く掘り下げ、その根本原因を特定して解決策を提示する力が求められます。
具体的には、顧客情報を分析して潜在的なニーズを見つけ、論理的思考力と創造的な発想力を組み合わせて、顧客の問題を最適解へと促す力です。この能力が高ければ、営業職で転職した後、顧客からの信頼を勝ち取りやすくなります。
④ストレス耐性力
営業職への転職では、ストレス耐性力も重要なスキルの一つです。
営業は、数値目標のプレッシャーや顧客対応の難しさ、突発的なトラブルに直面することが多いため、どんな時でも冷静さを保ちながら対処できる力が求められます。
また、失敗から学び、次に活かす前向きな姿勢を持つこともポイントです。特に「長く営業職で活躍したい」という方には欠かせない要素といえるでしょう。
⑤タイムマネジメント力
営業職の転職時には、タイムマネジメント力も重要です。
このスキルがあれば、複数の顧客対応や商談準備、資料作成などを効率的にこなせます。
さらに、急な依頼や予期せぬ問題にも柔軟に対応できるため、仕事全体の質を高めることも可能です。優先順位を見極めて計画的に行動することで、営業職での成果を最大化できるでしょう。
営業職への転職を成功させるコツ
営業職への転職は、十分な準備と戦略が必要です。
営業職への転職を成功させるためには、以下の3つのステップを踏んで進めていきましょう。
ステップ①経験やスキルを洗い出す
転職活動の第一歩は、自身の経験やスキルを洗い出すことです。
まずは、これまでの職務経験で得た具体的な成果や、培ってきた専門知識、対人スキルなどを詳細に書き出しましょう。特に数値で示せる実績や、具体的なプロジェクト経験は、面接でのアピールポイントとして非常に有効です。
この際、第三者視点で自分の経験やスキルを冷静に分析することを心がけてください。過去の経験を盛り、自身を過大評価することなく、あくまで客観的に自己分析しましょう。
ステップ②退職理由を明確にする
転職を成功させる上で、退職理由を明確化することも重要です。
退職理由は自身のキャリアプランを明確に示す指針になるため、面接時に大いに活用できます。
この際、前職での経験をネガティブに捉えるのではなく、そこでの学びや気づきを基に、より良いキャリアを目指す前向きな姿勢を示すと良いでしょう。ただし、嘘の退職理由は決して伝えないようにしてください。面接の途中で話の整合性が取れなくなるおそれがあります。
以下の記事では、転職活動の経験が少ない方でも安心して面接に臨めるよう、転職理由の伝え方を丁寧に解説しています。営業職への転職が初めての方もぜひ参考にしてください。
ステップ③転職エージェントを活用する
営業職への転職を成功させるためには、効率的かつ効果的な転職活動をサポートしてくれる転職エージェントを活用しましょう。転職エージェントが提供する求人市場の最新動向、企業の採用基準、面接対策といった情報は、転職活動の成功に大いに貢献してくれます。
転職エージェントは、専門業界に特化した転職エージェントも多く、これらのサービスではより専門性の高い求人情報と充実のサポートサービスを受けられます。
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営業への転職から描けるキャリアパス
営業職での転職は、様々なキャリアパスへの扉を開いてくれます。
以下では、営業職への転職から描けるキャリアパスを3選お伝えしましょう。
- マネジメント層へ昇進
- 特定分野のスペシャリスト
- 独立・起業
①マネジメント層へ昇進
営業職に転職することで、チームリーダーやマネージャーといったマネジメント層へのキャリアアップが可能です。
マネジメント職では、予算管理、目標設定、パフォーマンス評価など、チーム全体の業績向上に向けて多岐にわたる業務を担います。リーダーシップ、問題解決能力、交渉力など、幅広いスキルが求められますが、年収アップやキャリアアップなど、多くのメリットが期待できます。
②特定分野のスペシャリスト
営業職へ転職すると、営業職で培った経験を活かし、特定の分野に特化したスペシャリストとして活躍する道も開けます。特に、IT業界やCAD業界など、ニーズの高い業界で得た知識は、そのスキルを活かせるキャリアの選択肢が大きく広がります。
例えば、IT業界で活用されているPythonは、そのシンプルさと汎用性から、データ分析や機械学習など、幅広い分野で活用できる人気のプログラミング言語です。
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IT業界では未経験者でもやる気を重視した「ポテンシャル採用」を行っている企業もあります。以下の記事では、IT未経験者の転職事情について解説しているので、IT業界への転職を視野に入れている方はぜひ参考にしてください。
③独立・起業
営業職への転職は、独立・起業というキャリアプランも描けます。
一般的には、個人での営業コンサルティングや営業代行といった独立の形態をとる方が多く、この際に営業経験で培った人脈や業界経験・知識は非常に役立ちます。
しかし、独立・起業は綿密な事業計画、経営に関する知識や財務管理能力が求められます。まずは、どの程度まで事業を拡大したいのか、誰に何を提供したいのかを明確にしたうえで、適切な事業計画を策定することからスタートしましょう。
営業の転職についてまとめ
営業職のスキルは汎用性が高く、多彩な業界で活用できるため、キャリアアップや新たな挑戦の第一歩として最適です。
営業職は、マネジメント層への昇進や、特定分野のスペシャリストなど、幅広いキャリアパスへとつながる可能性を秘めています。特に、IT業界やCAD業界は、営業職からのキャリアプランに最適な転職先といえるでしょう。
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ぜひ、転職の選択肢の一つとしてご検討ください。
