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【2025】G検定とは?難易度や活用業種・過去問・おすすめの学習方法も紹介

AIが日常に溶け込み、ビジネスシーンが様変わりする中、G検定は時代の最先端を行くAI資格として注目を集めています。2024年、国際卓越大学に選出された東北大学によるG検定対策講座の開講は、この資格が持つ重要性と将来性を如実に示した事例といえるでしょう。

このようなG検定への関心の高まりを受け、G検定に興味を持つビジネスパーソンや学生も急増しています。しかし、G検定についてよく分からない方もいるでしょう。

この記事では、G検定の試験内容から難易度、具体的な学習方法まで、初心者にも分かりやすく解説します。G検定の取得を検討している方、AI資格に興味がある方はぜひご一読ください。

G検定とは

G検定は、JDLA(日本ディープラーニング協会)が認定するAI資格です。

G検定が対象とする「ジェネラリスト」とは、博識で多角的視点を持つ人物のことです。つまり、AIに関する幅広い知識を身につけ、それを使って新しいアイデアを企画し、実際に活用できる形に落とし込む人材を指します。

東北大学でG検定取得を推奨

未来を切り拓くAIのジェネラリストを育成するため、東北大学はデータサイエンスとAI教育に力を入れています。2024年に国際卓越大学に選ばれた東北大学は、「東北大学ビジョン2030」で掲げられた目標の具体化として、G検定、およびE資格の取得を重要な手段と位置付けました。

東北大学データ駆動科学・AI教育研究センター長の早川美徳教授は次のように述べています。

「スティーブ・ジョブスの”Connecting The Dots”のように、学生がこのセンターで学んだことが10年、20年後にふっとつながるような、思い出したときにまた学び直しができるような、そういった経験のきっかけを生み出していきたいですね。」

引用元:一般社団法人ディープラーニング協会

これは、東北大学が目指す教育が、単に知識やスキルを詰め込むのではなく、学生一人ひとりの未来を豊かにする「きっかけ」を提供することであるということを示しています。G検定・E資格の取得は、そのための重要なステップとなるでしょう。

G検定の試験概要

以下では、G検定の試験概要について一覧表にまとめました。G検定受験を検討している方はぜひ参考にしてください。

資格名称 G検定(ジェネラリスト検定)
英名 JDLA Deep Learning for GENERAL
資格種類 民間資格
認定団体 一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)
認定開始年月日 2018年1月5日
受験資格 制限なし
試験時間 120分
試験形式 知識問題(多肢選択式)
試験実施方法 オンライン実施(自宅受験)
出題数 160問程度
受験費用
  • 一般:13,200円
  • 学生:5,500円

引用元:日本ディープラーニング協会

G検定の難易度

G検定の難易度G検定を目指している方は、やはり気になるのが「難易度」でしょう。ここでは、G検定の難易度をシラバスや学習時間、合格率から見ていきましょう。

 

  1. シラバスから難易度を推察
  2. 学習時間から難易度をチェック
  3. 合格率から難易度を考察

①シラバスから難易度を推察

まずは、G検定のシラバス(試験範囲)から難易度を推察していきましょう。G検定のシラバスは以下の通りです。

  • 人工知能とは
  • 人工知能をめぐる動向
  • 機械学習の概要
  • ディープラーニングの概要
  • ディープラーニングの要素技術
  • ディープラーニングの応用例
  • AIの社会実装に向けて
  • AIに必要な数理・統計知識
  • AIに関する法律と契約
  • AI倫理・AIガバナンス

引用元:日本ディープラーニング協会

上記のように、G検定の範囲は多岐にわたり、AIの知識や技術だけではなく、AIの歴史や倫理、法律まで含まれています。これらの分野は、それぞれ専門性が高く、一朝一夕で身につくものではありません。そのため、G検定は決して簡単な試験ではないでしょう。

しかし、G検定は、プログラミング実装など、AIに関する専門的スキルは問われません。したがって、G検定は、しっかりとした対策と学習を行えば合格が目指せる難易度といえるでしょう。

G検定と比較されることが多いE資格は、AIエンジニア向けの高難易度な資格として知られています。以下の記事では、E資格の難易度を合格率から深く考察しているので、ぜひこの機会にご一読ください。

【2025】E資格の難易度はどれくらい?合格率と考察

②学習時間から難易度をチェック

G検定受験までに要した学習時間

続いて、G検定の学習時間から難易度をチェックしてみましょう。ここでは、「G2024#2 G検定合格者の学習時間」を例として挙げてみます。

上記画像から、G検定合格者の学習時間として最も多かったのは「30~50時間」で39%を占めています。次いで「15~30時間」が23.7%、「50~70時間」が15.3%となっており、これらの層で全体の約8割でした。

このデータから、G検定合格のためには、少なくとも30~50時間程度の学習時間を確保する必要があると考えられます。もちろん、個人の知識レベルや学習効率によって必要な時間は異なるため、中には100時間以上学習している合格者も少数見られました。

これらから、ある程度のまとまった学習時間を確保しなければ合格は難しい難易度と推察されます。

③合格率から難易度を考察

最後に、G検定の合格率から難易度を考察してみましょう。2024年3月に実施された試験では、5,527名の受験者のうち3,760名が合格し、合格率は68.03%でした。過去のデータを見ても、G検定の合格率は毎回65〜70%程度で安定しています。

この数字だけを見ると、G検定は比較的難易度が低い試験のようですが、しかし、合格率の高さは、受験者層にも関係があります。G検定の合格者に行ったアンケートでは、90.7%が社会人で、大学生が9.3%でした。

つまり、目的意識がより高い社会人層の多さが合格率を押し上げていると考えられます。このように、合格率の高さが難易度に直結しているわけではないことまで考慮すると、G検定の難易度は中程度と評価して良いでしょう。

参照:日本ディープラーニング協会

G検定が活かせる業種

G検定が活かせる業種を知ることは、今後のキャリアに新たな可能性をもたらします。G検定受験を検討しているなら、どのような分野でその知識が活かせるのか、ぜひとも知っておきたいところでしょう。

ここでは、実際にG検定を受験した方の業種から、G検定が活かせる業種を見ていきます

G検定受験者の業種は製造業が最多

G検定受験者層

G検定で得た知識は、製造業で活かせます。G検定受験者の業種は製造業が最多で、21.2%を占めていました。これは、製造業においてAI技術の導入が急速に進んでいることを示唆しています。

具体的な業務内容としては、AIを活用した生産ラインの自動化や品質管理、故障予測などです。特に、製造業におけるAI導入を推進する企業から即戦力として高く評価されるでしょう。

情報処理・サービス業やソフトウェア業でも人気

G検定の知識は、情報処理・サービス業やソフトウェア業でも活かせます。G検定受験者のうち、情報処理・サービス業は17.8%、ソフトウェア業は15.3%を占めていることから、IT業界におけるAI活用の広がりが見て取れました。

具体的な業務としては、データ分析を活用したマーケティング戦略の最適化、AIチャットボットによる顧客対応の効率化、ソフトウェア開発における機械学習の組み込みなどです。AI技術の活用が進むこれらの業界では、G検定で得た知識を持つ人材ニーズが見込めます。

金融業でも注目

G検定は、金融業でも活かせます。AIの活用は金融・保険・不動産業でも進んでおり、G検定受験者の12.7%がこの分野に属しています。具体的には、AIを活用した信用スコアの分析、不正検知、資産運用の自動化などです。

膨大なデータを扱う金融業界では、AIを活用したリスク管理や市場予測の高度化が求められており、今後さらにG検定資格保有者のニーズも高まってくるでしょう。

参照:日本ディープラーニング協会

G検定の過去問・解答・解説

G検定の過去問・解答・解説

G検定を主催する日本ディープラーニング協会の公式サイトでは、G検定の過去問を公開しています。G検定の過去問を参照することで、G検定の範囲や特徴、G検定がどのような資格かというのを具体的に把握できるでしょう。

ここでは、G検定の過去問と解答・解説をご紹介します。

Q1. 人工知能とは

以下の文章を読み、空欄に最もよく当てはまる選択肢を1つ選べ

人工知能は有限の処理能力しかないため、現実に起こりうる問題すべてに対処することができない ( ) がある

A)フレーム問題
B)ブラックボックス問題
C)シンボルグラウンディング問題
D)最適化問題

解答

A)フレーム問題

解説

現実世界には無数の情報が存在し、人工知能はそれらをすべて考慮できません。つまり、AIはどの情報が重要で、どの情報が無視できるのかを適切に判断することが難しいのです。この課題を「フレーム問題」と呼びます。

例えば、「ロボットが部屋を掃除する」というタスクを考えてみましょう。

人間なら「ゴミを拾う」「掃除機をかける」などの動作を自然に選びますが、AIは「初めにドアを開ける必要は?」「カーペットを持ち上げるべき?」「天井も掃除する?」と、すべての可能性を考えようとしてしまいます。その結果、処理に時間がかかり、最適な行動が取れなくなるのです。

Q2. ディープラーニングの応用例

ChatGPTのベースとなるGPTは、大規模なデータセットを用いることでモデルを大規模化できている。この前提となる法則として、最も適切な選択肢を1つ選べ

A)スケーリング則
B)正規化則
C)中心極限定理
D)マルコフ過程

解答

A)スケーリング則

解説

スケーリング則とは、「データの量・モデルのサイズ・計算リソースを増やすほど、AIの性能も向上する」という経験則です。

例えば、GPTのような大規模言語モデルは、小さなデータセットで学習した場合よりも、数十億単語以上のデータを学習した方が、より高度な文章生成ができるようになります。

しかし、データやモデルの規模を大きくすればするほど、計算コストや必要なリソースも増大します。そのため、スケーリング則を活かすには、計算効率を向上させる工夫も必要となってくるのです。

Q3. AIの社会実装に向けて

検証データにデータリーケージがあった場合の影響について述べたものとして、最も適切な選択肢を1つ選べ

A)検証時には精度が良かったが、実際に導入すると精度が悪くなる
B)一定以上、学習が継続できなくなる
C)過学習が起きやすくなる
D)学習にかかる時間が増加する

解答

A)検証時には精度が良かったが、実際に導入すると精度が悪くなる

解説

データリーケージとは、テストでは高精度でも、実際に使うと性能が落ちる問題のことです。

本来、モデルが学習してはいけない情報が学習や検証データに混入してしまうため、「テストでは素晴らしい結果が出るのに、実際には全く役に立たない」というモデルが完成する現象を指します。

この事象は、分かりやすくいうと機械学習モデルの「カンニング」のようなものです。つまり、データリーケージがあると「本番では通用しないAI」ができてしまいます。

引用元:日本ディープラーニング協会「G検定の例題・過去問」

なお、E資格は過去問が公開されていません。しかし、過去問に類似した学習サイトを活用すると、上記のような例題を利用して学習を進められます。以下の記事は、E資格の学習におすすめのサイトを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

【2025】E資格の過去問は非公開?学習におすすめのサイトや例題・解答・解説も紹介

G検定のおすすめ学習方法

G検定の過去問と解説を通して、試験の具体的なイメージが掴めたかと思います。さっそくG検定に挑戦し、学習を始めようという意欲が湧いてきた方もいるのではないでしょうか。

そこで、G検定合格を最短で実現できるおすすめの学習方法を2つご紹介します。

  1. JDLA監修書籍で学ぶ
  2. セミナーに参加する

①JDLA監修書籍で学ぶ

G検定の学習を効率的に進めるには、JDLA(日本ディープラーニング協会)が監修する書籍の活用がおすすめです。JDLA公式サイトでは、基礎から応用、実践的な内容まで、幅広い書籍が紹介されています。例えば、ビジネス事例集や問題集、対策テキストに加え、協会を代表する松尾豊氏の著作も参考になるでしょう。

これらの書籍は、G検定の出題範囲を網羅的にカバーしており、試験対策に特化した内容となっています。特に、JDLAが推奨する書籍は、試験の傾向を掴みたい方にも適した学習素材といえるでしょう。

②講座に参加する

G検定の学習は、セミナーに参加するのも良いでしょう。

先程G検定の過去問をご紹介しましたが、公式サイトのG検定の過去問題には詳細な解説がついていません。問題と解答だけではなかなか理解が追いつかない方もいるでしょう。そのような場合には、分かりやすい解説で効率的に学べる講座がおすすめです。

今回おすすめする講座はG検定対策講座です。こちらは、G検定合格に必要なシラバスを網羅したハンズオン形式の学習サービスです。単元ごとに、理解度を確認するための簡易テストを実施し、弱点を克服しながら着実に学習を進められるよう工夫されています。

合格に特化した独自のカリキュラムと、講師陣の分かりやすい指導は、受講者からの評価も抜群。なお、受講希望者が多数いるため、まずは以下のページでスケジュールの詳細を確認しておきましょう。

G検定についてまとめ

この記事では、G検定の概要や難易度、活かせる業種や過去問など多角的に解説しました。

G検定は今後さらに需要が高まっていくと予想され、取得するメリットは大きいです。AIのビジネス活用に必要な基礎知識を体系的に習得できるG検定は、AI人材として第一線で活躍したい方にもおすすめの資格といえるでしょう。

AI系資格 G検定 【2025】G検定とは?難易度や活用業種・過去問・おすすめの学習方法も紹介
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