Excel VBA資格は、Excelを活用した業務効率化やスキルアップを目指す人にとって、非常に有益な資格です。
本記事では、Excel VBA資格の種類や試験内容を詳しく解説し、難易度や合格率、効果的な勉強法について紹介します。また、資格取得後に活用できる職種や具体的な操作スキル、キャリアにおけるメリットも見ていきましょう。
Excel VBAとは?
Excel VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Excelで使用できるプログラミング言語です。
主にExcelの作業を自動化したり、カスタマイズしたりするために活用されます。たとえば、大量のデータ処理や条件に応じた作業の実行を簡単にすることで、日々の業務効率を大幅に向上させることが可能です。
VBAを使うことで、手動操作では時間がかかるタスクを自動化したり、繰り返し作業を簡略化できるでしょう。また、特定の条件に応じた複雑なデータ処理やグラフ作成なども可能になります。
さらに、VBAはExcel以外にもWordやAccessなどのMicrosoft Office製品と連携が可能なため、ビジネスの現場で非常に重宝されるでしょう。
Excel VBA資格は2種類
Excel VBA資格は、業務効率化やデータ処理スキルを証明するために設けられた資格で、「Excel VBAベーシック」と「Excel VBAスタンダード」の2種類があります。
この章では、それぞれの資格内容を解説します。
Excel VBAベーシック
Excel VBAベーシックは、VBAを初めて学ぶ人を対象にした資格で、基本的なスキルの習得を目的としています。
以下の表に、VBAベーシックの特徴をまとめました。
項目 | 詳細 |
---|---|
対象者 | VBAやマクロを初めて学ぶ人 |
試験範囲 | マクロの記録、VBAコードの基本操作、セル・シート操作 |
難易度 | 初心者向け、独学でも挑戦可能 |
合格基準 | 1000点満点中700点以上 |
試験時間 | 50分 |
受験料 | 13,200円(税込) |
Excel VBAベーシックを取得することで、VBAの基礎を理解し、日常業務での簡単な作業自動化が可能になるでしょう。特に、これからExcelでの効率化を目指す初心者に最適なステップです。
Excel VBAスタンダード
Excel VBAスタンダードは、VBAスキルをさらに深めたい中級者から上級者向けの資格です。より実践的な問題が出題され、実務に即したスキルが求められます。
以下の表に、VBAスタンダードの特徴をまとめました。
項目 | 詳細 |
---|---|
対象者 | VBAの基本操作を習得済みで、応用力を高めたい人 |
試験範囲 | 条件分岐、ループ処理、エラー処理、データベース連携 |
難易度 | 中級〜上級向け、実務的な問題が中心 |
合格基準 | 1000点満点中700点以上 |
試験時間 | 50分 |
受験料 | 14,850円(税込) |
スタンダード資格を取得すると、複雑なデータ処理や高度なマクロの作成が可能になります。業務での活用範囲が広がり、職場での信頼性やキャリアアップにつながるでしょう。
その他のExcel資格について知りたい方は、下記をご覧ください。
Excel VBA資格の難易度と合格率
Excel VBA資格の難易度は「ベーシック」と「スタンダード」で大きく異なり、それぞれの試験内容や求められるスキルが段階的に設定されています。
この章では、資格ごとの難易度と合格率について解説し、効率的に合格するための対策方法を見ていきましょう。
Excel VBA資格の難易度
Excel VBA資格の難易度は、初心者に最適なベーシックは比較的容易ですが、スタンダードは実務的なスキルや応用力が求められるため、より高くなっています。
下記に、資格の難易度や必要な勉強時間などをまとめました。
資格 | 難易度 | 必要な勉強時間 | 内容の概要 |
---|---|---|---|
Excel VBA ベーシック | 初心者向け | 20~25時間 |
|
Excel VBA スタンダード | 中級~上級者向け | 70~75時間 |
|
ベーシックでは基礎的なスキルを短期間で学べるため、初心者でも挑戦しやすいです。一方、スタンダードではより実践的なスキルが問われるため、一定の経験と準備が必要です。
合格率の分析と対策ポイント
Excel VBA資格の合格率は、ベーシック資格の合格率は81%と高い一方で、スタンダード資格は59%と難易度が上がります。
資格 | 合格率 |
---|---|
Excel VBA ベーシック | 81% |
Excel VBA スタンダード | 59% |
ベーシック向け対策としては、基礎的な学習に重点を置き、公式テキストを使用して基本文法やマクロ操作を確実に理解しましょう。マクロ記録を使った実践的な練習を行い、よく出題されるセル操作や条件分岐のスキルを身につけることが重要です。
スタンダード向け対策としては、エラー処理やデータ操作など、より実践的なスキルの習得が合格へのカギです。公式問題集や模擬試験を活用し、出題パターンに慣れるとともに時間配分の練習を行いましょう。特に、複雑な条件を用いた並べ替えやフィルター操作の習得に重点を置くと効果的です。
Excel VBA資格取得に役立つ操作
Excel VBA資格を取得するためには、実際に役立つVBA操作を学ぶことが重要です。試験では、セル操作や条件分岐、繰り返し処理といった基本的なスキルから、イベント駆動やユーザー定義関数などの応用スキルまで幅広い内容が出題されます。
この章では、Excel VBA資格のベーシックとスタンダードで頻出する操作を解説します。
マクロの記録と実行
「Excel VBAベーシックの試験」では、マクロの記録と実行が基本的な操作として頻出します。マクロ記録機能を使用することで、VBAコードを書かずに操作を自動化する方法を学ぶことができます。
「セルA1に値を入力し、それをセルB1にコピーする操作をマクロで記録し、実行する」などの例題が出されます。
手順は、以下の通りです。
- Excelのリボンから「開発」タブをクリックし、「マクロの記録」を選択する
- 記録するマクロ名を入力し、「OK」をクリックして記録を開始する
- セルA1に値を入力し、その値をコピーしてセルB1に貼り付ける
- リボンの「開発」タブに戻り、「記録終了」をクリックしてマクロ記録を停止する
- リボンの「マクロ」をクリックし、記録したマクロを選択して「実行」をクリックする
この操作は、Excel VBAベーシックで最も基本的なスキルであり、試験対策としても頻出です。日常業務での反復作業を簡単に自動化できるため、試験を超えて実務にも応用できる非常に有用な技術です。
セルの値の取得と設定
Excel VBAの基本操作として、セルの値を取得したり設定するスキルは不可欠です。例えば、「Excel VBAベーシック」では、セルA1に入力された値をセルB1にコピーする問題などが出題されます。
手順は、以下の通りです。
- VBAエディタを開き、「挿入」からモジュールを追加する。
- Range(“A1”).ValueでセルA1の値を取得するコードを記述する。
- Range(“B1”).Valueに取得した値を代入するコードを記述する。
- コードを保存し、実行することで結果を確認する。
セル操作はVBAの基本中の基本であり、業務の自動化にも欠かせないスキルです。
条件分岐を使った自動化処理
条件に応じた自動化処理は、試験でも実務でも頻出する操作です。特定の条件下で処理を変えるスキルは、柔軟なプログラムを作る上で重要です。
例えば、「Excel VBAスタンダード」では、特定のセルの値が100を超えた場合に背景色を変更する例題が出されることがあります。
手順は、以下の通りです。
- If文を使い、特定のセル(例:A1)の値を条件式で評価する
- 条件が成立した場合の処理を記述する(例:Interior.Colorで背景色を変更)
- 条件が成立しない場合の処理を記述する(例:背景色を元に戻す)
- コードを保存して実行し、条件に応じた動作を確認する。
条件分岐を習得することで、データ処理の自動化をより細かく制御できるようになります。
イベントを活用した操作の自動化
イベントを利用することで、特定のアクション(シート変更、セル入力など)をトリガーに自動化を実現できます。例えば、「Excel VBAスタンダード」では、シート変更時に特定のセルに日付を記録する問題が例として挙げられます。
手順は、以下の通りです。
- Worksheet_Changeイベントを使い、コードを記述する
- イベントが発生したときに処理する内容を記述する(例:特定セルに現在の日付を入力)
- 対象となるシートを明確に設定する
- コードを保存して実行し、シート変更時の動作を確認する
イベント活用は、動的な業務フローの実現に役立ち、試験でもよく問われるスキルです。
ユーザー定義関数の作成
標準のExcel関数では対応できない計算や処理を行いたいとき、ユーザー定義関数が活用されます。例えば、「Excel VBAスタンダード」では、指定範囲内の最大値を求める関数を作成する例題が見られます。
手順は、以下の通りです。
- Functionステートメントを使い、新しい関数を作成する
- 引数を設定し、計算に必要なデータを受け取れるようにする
- 関数内で最大値を計算するコードを記述する(例:Application.WorksheetFunction.Maxを使用)
- 作成した関数をExcel上で使用し、動作を確認する
ユーザー定義関数は、特定の業務に特化した計算を効率的に行えるため、資格取得後の実務でも非常に役立ちます。
Excel VBA資格を取得するメリット
Excel VBA資格は、日常業務の効率化だけでなく、以下のように、スキルアップやキャリア形成においても大きなメリットをもたらします。
- 業務効率化とスキルアップ
- 就職・転職でのアピールポイント
- フリーランスや副業での活用
この章では、Excel VBA資格取得のメリットを3つの観点から見ていきましょう。
業務効率化とスキルアップ
Excel VBA資格を取得することで、業務効率が大幅に向上し、さらにプログラミングスキルの習得がスムーズに進みます。
なぜなら、Excel VBAは、繰り返し作業や複雑なデータ処理を自動化するためのツールだからです。資格を通じてそのスキルを体系的に学ぶことで、業務の生産性が飛躍的に向上するでしょう。
例えば、日々の売上データの集計作業を自動化するマクロを作成すれば、手動で行っていた数時間の作業が数秒で完了するようになります。このような実践的なスキルは、資格取得過程で身につけることができるでしょう。
就職・転職でのアピールポイント
Excel VBA資格は、履歴書や面接で自分のスキルを具体的にアピールできる武器になります。
実際に、Excel VBAは多くの企業で使われており、特に事務職や経理職での需要が高いスキルです。資格を持っていることで、Excelを活用した業務効率化が得意であることを証明できるでしょう。
例えば、「Excel VBAスタンダード」を取得していれば、採用担当者に「データの自動処理や効率化の仕組みを構築できる能力」を示すことが可能です。
転職の成功秘訣について知りたい方は、下記をご覧ください。
フリーランスや副業での活用
Excel VBA資格は、フリーランスや副業で収入を得るための強力なスキルとなります。
Excelを使った効率化スキルの需要は高く、企業や個人からデータ処理やマクロの作成を依頼されることもあるのです。資格を持つことで、自信を持って業務を受けることができるでしょう。
例えば、企業の営業データを自動で分析するマクロを作成する仕事や、複雑なExcelシートを簡略化するプロジェクトなどが副業案件として依頼されることなどです。
Excel VBA資格おすすめの勉強方法
Excel VBA資格を効率的に取得するためには、自分に合った学習法を選ぶことが重要です。
この章では、公式テキスト、初心者向け書籍、セミナーの3つの方法を活用した勉強法を紹介します。
公式テキストの活用法
引用:Amazon
Excel VBA資格の公式テキストは、試験範囲を網羅し、効率的に学習を進めるための必須教材です。
テキストには、基本的な文法や操作方法から応用的なスキルまでが体系的にまとめられており、初心者から上級者まで幅広く活用できます。また、模擬試験問題が収録されているため、本番形式に慣れることができるのも特徴です。特に、試験でよく出題される操作手順やコード例が豊富に掲載されているため、理解を深めるだけでなく、実践力を養うのにも役立つでしょう。
勉強方法としては、テキストを一通り読み、模擬問題を解きながら弱点を補強するのが効果的です。
初心者向けおすすめ書籍
引用:Amazon
Excel VBAの初心者には、「VBAエキスパート試験対策問題集 Excel VBAスタンダード対応」がおすすめです。
初心者向けにわかりやすい解説と豊富な例題を含んでおり、試験対策に適した内容となっています。特に、条件分岐やループ処理、エラー処理など、試験で頻出するトピックを実践形式で学べる点が特徴です。
書籍内の模擬問題を繰り返し解くことで、本番に備えた自信を養うことができるでしょう。また、プログラミング経験がない人でも理解しやすい構成になっており、Excel操作を効率化する実務スキルを自然と身につけられるのも魅力です。
セミナーの受講
Excel VBAの資格取得を目指すなら、セミナーの受講は効率的な学習方法の一つです。
ProSkilllの「Excelマクロ・VBAセミナー」は2日間の集中講座で、試験に必要なスキルだけでなく、実務で役立つ応用技術までカバーしています。オンラインや会場受講といった形式を選べるため、自分のライフスタイルに合わせて学習が可能です。
また、提供される教材を使えば、セミナー後も復習を通じて理解を深めることができるでしょう。直接質問できる環境は独学では得られない利点であり、資格取得の近道として非常におすすめです。
詳細は下記をご覧ください。
Excel VBA資格を活用できる職種
Excel VBA資格を取得すると、業務の効率化やデータ処理能力の向上により、多くの職種で活用の幅が広がります。特に、以下の職種で役立つでしょう。
- 事務職・経理職での活用
- 営業職・マーケティング職での効率化
- プログラマー・SE職での応用
この章では、職種ごとにExcel VBA資格の活用例を見ていきます。
事務職・経理職での活用
Excel VBA資格は、事務職や経理職において業務の効率化を実現し、ミスを削減する強力なツールとなります。
事務職や経理職では、大量のデータを扱うことが多く、手作業での処理は時間がかかり、エラーのリスクもあります。Excel VBAを使うことで、データ入力や集計作業を自動化できるため、作業時間を大幅に短縮可能です。
例えば、月次の売上データを取りまとめる作業をマクロで自動化することで、数時間かかっていた作業が数分で完了するようになるでしょう。さらに、経費精算書や請求書の自動生成にも活用でき、正確で迅速な処理ができます。
営業職・マーケティング職での効率化
営業職やマーケティング職では、Excel VBAを活用することで、データ分析やレポート作成の時間を大幅に削減できます。
顧客データや売上データの分析、キャンペーン効果の測定など、大量のデータを扱う場面が多くあります。手作業では時間がかかる作業も、VBAを使えば効率的に処理できるでしょう。
例えば、営業実績を自動で集計し、グラフ化してレポートを作成するマクロを構築すれば、週次や月次レポート作成に費やす時間を大幅に削減可能です。また、マーケティングでは、キャンペーン効果を分析し、ターゲットリストを自動生成するなどの応用も考えられるでしょう。
プログラマー・SE職での応用
プログラマーやSE職では、Excel VBA資格を応用することで、システム運用やデータ処理の効率化を図れます。
なぜなら、VBAは他のプログラミング言語と連携が可能なため、Excelを活用したツール開発やデータベース連携に役立つからです。手軽に使えるVBAは、特に運用やプロトタイプの構築に適しているでしょう。
例えば、データベースから取得した情報をExcelに自動出力し、必要なフォーマットに整形するツールを作成することで、業務の迅速化と精度向上が可能になります。また、定型的なタスクをVBAで自動化し、開発リソースを他のプロジェクトに集中させることもできるでしょう。
Excel VBA資格で新たなキャリアの扉を開こう
Excel VBA資格は、業務効率化を実現するスキルを証明し、多くの職種で活躍の幅を広げる力強いツールです。
資格取得を通じてスキルを磨くことで、日常業務の改善だけでなく、キャリアアップや副業・フリーランスでの活用も可能になります。これからExcel VBA資格を目指す方は、ぜひ体系的な学習を進めて、新たなキャリアの扉を開きましょう。
より実践的なスキルを効率よく学びたい方は、集中講座型のセミナーを活用するのも一つの方法です。短期間で基礎から応用まで学べるProSkilllの「Excelマクロ・VBAセミナー」は、資格取得だけでなく実務に即したスキルの習得にも最適です。
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