AI技術の急速な進展によって従来の職種が淘汰される中で、未来に向けた生存戦略が徐々に求められてきています。本記事ではAI時代に生き残るための資格を国家資格と民間資格別に紹介すると同時に、淘汰されてしまう仕事とそうでない仕事を紹介します。
これからのAI時代に生き残るためのひとつの参考として、ぜひご一読ください。
AIに取られない仕事はある?
近年のAIの進化は目覚ましいので、現段階では「この仕事は絶対にAIに取られない」と断言することは難しいです。しかし創造性や共感、臨機応変な対応が求められる仕事は、依然として人間の強みが生かせる分野とされています。
たとえば芸術や研究職などの創造的な仕事、医療や福祉、教育など対人スキルが不可欠な職業、高度な手作業を伴う大工や料理人などは、AIが完全に代替することはまだ難しいのが現状です。
今後はAIと共存し、技術を活用しながら新たな価値を生み出す人が、AI時代で生き残ると言われています。
AI時代に生き残るための国家資格5選
この章では、AI時代に生き残るための国家資格5選として、以下のとおりご紹介します。
資格名 | 対象者 | 受験料 | 難易度(合格率) |
基本情報技術者試験 | ITエンジニアの基礎的な知識を身につけたい方 | 7,500円 | 約40~50% |
応用情報技術者試験 | ITエンジニアとして高度な知識・技能を習得したい方 | 7,500円 | 約20~25% |
ITストラテジスト試験 | ITを活用した経営戦略の立案やコンサルティングを行う方 | 7,500円 | 約15% |
データベーススペシャリスト試験 | データベースの設計・構築・運用に関する高度な専門知識を持ちたい方 | 7,500円 | 約14~18% |
プロジェクトマネージャ試験 | システム開発プロジェクトの管理・運営を担当する方 | 7,500円 | 約13~15% |
直接的にAIに関連するものではないですが、いずれも間接的に関係があること、そしてAI時代に生き残るうえで重要な存在となっているので、ぜひ参考にしてください。
資格①基本情報技術者
基本情報技術者試験は、情報処理技術者としての基礎知識やスキルを証明する国家資格です。ITの基本概念、アルゴリズム、プログラミング、ネットワーク、データベース、セキュリティなど広範な分野を扱います。
アルゴリズムやデータ構造、機械学習の基礎となる数学(統計・確率)、データ処理技術などがAIに関連しています。AIの活用が進む現代において、基本情報技術者の知識は、AIエンジニアやデータサイエンティストを目指す人にも役立つものとなっているので、AI時代に生き残る可能性が高いです。
資格②応用情報技術者
応用情報技術者試験は、IT分野の高度な知識と応用力を問う国家資格で、基本情報技術者試験の上位に位置します。試験範囲は、システム設計、ネットワーク、データベース、プロジェクト管理、情報セキュリティ、AI・データ分析など多岐にわたります。
機械学習の基礎、データマイニング、統計的分析、AIの活用とリスク管理、また、AIを用いたシステム開発の設計や運用、倫理的な問題への対応などが含まれる点が、AIに関連しているといえます。
応用情報技術者の知識は範囲が非常に広いので、AIエンジニアやデータサイエンティスト、ITコンサルタントとしてのキャリアにも活用できるので、AI時代に生き残る資格とされてます。
資格③ITストラテジスト
ITストラテジスト試験は、企業のIT戦略を策定し、ビジネスの成長を支援する高度な知識とスキルを問う国家資格です。ITを活用した経営戦略の立案、システムの最適化、プロジェクトマネジメント、リスク管理などが主な試験範囲となります。
AIに関連する分野では、データ分析を活用した意思決定支援、AI技術の導入計画、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、AI倫理やガバナンスの設計などが重要視されます。
とくにAIを用いた業務改善やビジネスモデル変革の設計・評価に関する知識が求められるため、企業のIT戦略をリードする立場でAIを活用するスキルが身につくことから、AI時代に生き残るうえで重要視される資格です。
資格④データベーススペシャリスト
データベーススペシャリスト試験は、データベースの設計・運用・管理に関する高度な知識と技術を問う国家資格です。試験範囲にはリレーショナルデータベース(RDB)、SQL、正規化、インデックス最適化、トランザクション管理、分散データベース、データセキュリティなどが含まれます。
そもそもAIは大量のデータから分析や処理を行うものなので、
- データベースの管理・最適化
- 機械学習・データ分析のためのデータ構造の設計
などの知識が必須であり、間違いなくAI時代に確実に生き残る資格となるでしょう。
資格⑤プロジェクトマネージャ
プロジェクトマネージャ試験は、ITプロジェクトの計画・実行・管理を担う高度なスキルを問う国家資格です。試験範囲にはプロジェクト計画の立案、進捗管理、リスク管理、品質管理、コスト管理、チームマネジメントなどが含まれます。
AI業界でも同様にシステム開発のプロジェクト管理、AIモデルの品質評価、データガバナンス、AI導入による業務変革の推進などが求められることは変わらないので、本資格は確実に活かせるでしょう。
AI時代に生き残るための民間資格5選
続いて、AI時代に生き残るための民間資格として、以下の5つをご紹介します。
資格名 | 対象者 | 受験料(税込) | 難易度(合格率) |
G検定 | AI・ディープラーニングの基礎知識を有し、ビジネス活用を目指す方 |
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約60~70% |
E資格 | ディープラーニングの専門知識と実装能力を持つエンジニア |
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約60~70% |
データサイエンティスト検定 リテラシーレベル | データサイエンスの基本知識を持つ初学者やビジネスパーソン |
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約50% |
Pythonエンジニア認定データ分析試験 | Pythonを用いたデータ分析の基礎知識を持つ方 |
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非公開 |
統計検定 | 統計学の知識を有し、データ分析に活用したい方 |
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資格①G検定
G検定は日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する、AI・ディープラーニングに関する知識を問う資格です。AIの基礎理論、機械学習・深層学習のアルゴリズム、応用事例、倫理・法律・社会的影響などが試験範囲となります。
AIのビジネス活用やリスク管理に重点が置かれており、技術者だけでなく、経営者や企画職にも役立つ内容です。AIの基本概念を理解し、適切な導入・運用を判断できる人材を育成することが目的であり、AIを活用した業務改善やDX推進にも役立つので、AI時代に生き残る資格なのは間違いありません。
なお、G検定取得を目指すなら、G検定対策講座がおすすめです。
G検定対策講座は最短でのG検定合格を目指す短期集中型1Dayプログラムであり、AIの基礎からディープラーニングの理論まで、最新の出題範囲を網羅したカリキュラムを提供しています。
受講形式は、会場受講、ライブウェビナー、eラーニングの3つから選択可能で、現在キャンペーン中につき、eラーニングは5,500円(税込)と大変お得です。
資格②E資格
E資格も日本ディープラーニング協会(JDLA)が認定する、ディープラーニングの実装スキルを問う資格です。
主にエンジニア向けで、試験範囲には機械学習・深層学習の理論、ニューラルネットワーク、最適化手法、フレームワーク(TensorFlow・PyTorchなど)を用いた実装が含まれます。
G検定がAIの知識を広く問うのに対し、E資格は実際にAIモデルを開発・運用するスキルを証明するものとなっているのが特徴で、AI技術者として活躍したい人にとって有益な資格となっています。
E資格に合格したいならE資格対策ディープラーニング短期集中講座がおすすめで、こちらはJDLA認定のプログラムで、E資格合格を目指す短期集中型の4日間講座です。会場受講、ライブウェビナー、eラーニングの3つの形式があるうち、eラーニングはキャンペーン期間中につき54,780円(税込)と非常にお得になっています。
修了率99.2%、さらに専門スタッフによる徹底サポートでまったくの未経験者でも安心して受講できる本講座で、ぜひE資格合格を目指してみてはいかがでしょうか。
なお、E資格の難易度や合格率について詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。
資格③データサイエンティスト検定
データサイエンティスト検定(DS検定)は、その名のとおりデータサイエンスの知識やスキルを問う資格です。主にデータ活用の基礎知識、統計・機械学習の概念、データ分析の手法、倫理・ガバナンスなどが試験範囲となります。
データを活用した意思決定、機械学習を用いた分析、AIのビジネス活用などが含まれるので、こちらもAI時代に生き残る資格といえるでしょう。
データサイエンティストセミナーは未経験者でも2日間でデータサイエンスの基礎から応用までを習得できる短期集中講座です。統計学やPythonプログラミング、データ分析手法を実践的に学び、ビジネス課題の解決に直結するスキルを身につけられます。
データサイエンティスト検定の試験対策としても十分に使えるだけでなく、実務で確実に役立つ内容となっていますので、ぜひご検討ください。
資格④ Pythonエンジニア認定データ分析試験
Pythonエンジニア認定データ分析試験は、Pythonを用いたデータ分析スキルを問う内容となっています。試験範囲にはPythonの基本文法、NumPy・Pandas・Matplotlibなどのライブラリ、データの前処理、統計・機械学習の基礎、データ可視化などが含まれています。
データ分析の前処理や特徴量エンジニアリング、AIモデルの評価指標の理解が重要となるので、データサイエンスや機械学習に携わるエンジニア・アナリストにとって有益な資格であり、AI時代に生き残るうえで貴重な資格です。
Python基礎セミナーは未経験者を対象に、2日間でPythonの基礎から応用までを習得できる短期集中講座です。基礎文法、データ処理、Webスクレイピング、データ分析、画像処理、Excel自動化など、実務で即活用できる内容を網羅したカリキュラムとなっています。
「Python3エンジニア認定基礎試験」や「Python3エンジニア認定データ分析試験」など、Python関連の資格の対策としても有効なだけでなく、これからPythonを実務で用いる未経験者の方にもおすすめの内容となっています。
資格⑤統計検定
統計検定は、統計に関する知識と活用力を測る資格試験で、日本統計学会が認定しています。レベルは
- 統計検定4級~1級
- 統計調査士・専門統計調査士
に分かれています。
試験範囲は、確率・推測統計・回帰分析・データ解析など幅広く、データ分析やAI分野にも応用可能です。とくに統計検定2級以上では、機械学習の基礎となる統計モデリングや仮説検定の理解が求められるので、データサイエンス・AIエンジニアとして生き残る資格といえそうです。
なお、ここまで紹介したAI時代に生き残る資格以外に、おすすめを資格を知りたい方は、ぜひ以下の記事も参考にしてください。
AI時代に淘汰されてしまう可能性が高い仕事
ここまでAI時代に生き残る資格を紹介してきましたが、就いている仕事によっては十分に活かせなくなってしまいます。
この章では、AI時代に淘汰されてしまう可能性が高い仕事を以下のとおりご紹介します。
- 運転
- 一般事務員
- コールセンター
仕事①運転
自動運転技術の進化により、タクシー運転手、トラック運転手、バス運転手などの仕事はAIに代替される可能性が高いです。自動運転が今後、今よりもさらに普及することは間違いなく、そうなれば無人運転が可能になって人件費削減の観点から導入が進むと考えられます。
物流業界では実際に配送ドローンや自律走行トラックの実用化が進んでいます。ただ、緊急対応や複雑な道路状況の判断が求められる場面では、人間の運転手が必要となる可能性もあります。
仕事②一般事務員
データ入力、書類作成、スケジュール管理などの一般事務の仕事は、AIを活用した自動化により大幅に削減される可能性が高いです。
今ではすでにAIチャットボットや音声認識技術を活用すれば、問い合わせ対応や書類作成の業務を自動化できます。またクラウドサービスやデータベースの発展により企業の情報管理も効率化され、事務員の業務範囲が縮小されている傾向にあります。
仕事③コールセンター
AIによる音声認識技術と自然言語処理の進化により、コールセンター業務も自動化が進んでいます。たとえばAIチャットボットや音声対応システムは、顧客からの問い合わせを24時間対応できてコスト削減にもつながるため、企業の導入が加速しているのが現状です。
定型的な質問対応(予約受付、料金案内、FAQ対応など)はAIの得意分野で、高い精度で処理できるため、人間のオペレーターが不要になるケースが増えています。人間の対応が必要なのは、クレーム対応や高度な交渉が必要な場合に限定されることが予想されます。
AI時代でも生き残る可能性が高い仕事
もちろん、現代のすべての仕事がAIに代替されるわけではありません。
この章では、AI時代でも生き残る可能性が高い仕事を以下のとおり3つご紹介します。
- 営業職
- ITエンジニア・デザイナー
- 医師
仕事①営業職
営業職は、AI時代でも生き残る可能性が高い仕事の一つです。AIが顧客データの分析や予測を行い、最適な提案を自動化することは可能ですが、実際の商談や交渉ではやはり人間の共感力や対人スキルが重要となるからです。
とくに高額商品やカスタマイズが必要な商材、BtoBの大規模契約などでは、顧客の心理を読み取って関係を構築する営業の役割は不可欠です。ビジネスは信頼であり、人は信頼できるものに対してでないとお金を払わないので、人間同士の信頼獲得はAIにはまだまだ難しいでしょう。
仕事②ITエンジニア・デザイナー
AIの発展により、一部のプログラミングやデザイン作業は自動化されつつありますが、ITエンジニアやデザイナーの需要は依然として高いです。
新しい技術の開発やシステム設計、AIの学習データの調整、クリエイティブなデザインなどは、人間の発想力や問題解決能力が求められる分野です。とくにエンジニアはAIを活用する側としてのスキルを磨くことで、仕事の幅を広げることができます。
デザイナーも単純な画像生成はAIが行えるものの、ブランド戦略やユーザー体験を考慮したデザインは人間の感性が重要となるので、AI時代でもしばらく生き残ることはほぼ確実でしょう。
仕事③医師
医療分野はAIが診断や手術支援を行う技術が進化していますが、医師の役割は引き続き重要です。AIは大量のデータを処理し、病気の診断精度を向上させることができますが、
- 患者の生活環境や個別の事情を考慮した治療方針の決定
- 患者や家族への説明
- 緊急時の対応
などは人間の判断が不可欠です。
また手術や高度な医療行為には細かい調整や経験が必要なため、完全な自動化は難しいと考えられます。今後は、AIを活用しながら医師がより高度な医療を提供する方向へ進化していくでしょう。
AI時代に生き残るための資格まとめ
ここまで紹介した資格は、AIの進化に伴い求められるスキルと実践力を証明でき、AI時代に生き残るための有力な武器になります。国家資格は、基礎から応用まで幅広いIT知識を証明してくれ、民間資格はピンポイントでの最新技術や実務レベルの能力を裏付けることが可能になります。
これらを取得することで企業からは即戦力として評価されやすくなり、将来のキャリアアップや高収入に繋がる可能性が高まるでしょう。自らの市場価値を高め、AI時代に生き残るための第一歩として、ぜひ挑戦してみましょう。
