「未経験から設計士に転職したいけれど、専門知識がないと難しいのでは?」と悩む方もいるでしょう。
設計士は建築や機械などの専門分野で活躍する職種のため、経験者が有利とされることが多いです。しかし、未経験からでもポイントやコツを抑えれば、設計士になることは可能です。
本記事では、未経験から設計士を目指す際のポイントやおすすめの転職先について詳しく紹介します。設計士を目指す際に必要なスキルや知識がわかる記事となっていますので、最後までご覧ください。
未経験で設計士に転職は可能?
未経験から設計士に転職することは可能です。実際に厚生労働省が公表している「職業情報提供サイト jobtag」によると、建築設計技術者で就業されている方のうち、37.8%の方が「入職前の実務経験必要なし」と回答しています。
また、設計士は専門知識や技術が求められる職種ですが、未経験者でもCADオペレーターや施工管理などの関連職種から経験を積み、徐々に設計業務へシフトする方法もあります。
建築業界の転職を考えている方は以下の記事でも詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
建築士との違い
建築士と設計士は、どちらも建築に関わる職種ですが、違いは「資格の有無」です。
建築士は国家資格を持ち、一級・二級・木造建築士などの種類があり、設計だけでなく工事管理も行います。一方、設計士は資格が不要で、建築士の補助業務や小規模な建築物の設計を担当します。
また、建築士は資格に応じて設計できる建物の規模が決まっていますが、設計士は30㎡以下(木造は100㎡以下)かつ2階建て以下の建物の設計が可能。設計士は、建築士を目指す人の登竜門的な役割と言えるでしょう。
未経験から設計士に転職する5つのポイント
未経験から設計士に転職する際は以下5つのポイントを留意しましょう。
- ポートフォリオを作成する
- 設計業界の転職に強いエージェントを利用する
- 自己分析をする
- 企業分析・理解を徹底する
- 自己学習を行う
ポイント①ポートフォリオを作成する
未経験から設計士に転職する際は実務経験がないため、ポートフォリオを作成して知識やスキルをアピールしましょう。
企業は応募者のスキルやデザインの考え方を重視するため、ポートフォリオで自分の能力をアピールできます。ポートフォリオには、CADや3Dモデリングを使った設計例、図面の作成経験、手書きスケッチなどを含めるのがおすすめ。
未経験でも、独学やスクールで学んだ内容を形にし、転職活動で活用しましょう。質の高いポートフォリオがあれば、実務経験がなくても転職は可能です。
ポイント②設計業界の転職に強いエージェントを利用する
未経験から設計士への転職を成功させるためには、設計業界に特化した転職エージェントを利用しましょう。
一般的な転職サイトでは設計士向けの求人が少なく、建築業界を深く理解している人も少ない傾向に。専門エージェントを利用すれば、未経験者歓迎の企業やポートフォリオを重視する企業を紹介してもらえます。また、業界のトレンドや選考対策、書類添削、面接練習などのサポートも受けられるため、効率よく転職活動を進められます。
ポイント③自己分析をする
設計士として活躍するためには、自分の適性や目標を明確にすることが重要です。未経験からの転職では「なぜ設計士を目指すのか」「どのような建築やデザインに興味があるのか」を整理してみましょう。
自己分析を行うことで、自分に合った分野や企業を選びやすくなり、履歴書や面接でも説得力のある志望動機を伝えられます。過去の経験の中で活かせるスキルや強みを見つけ、設計士としてどのように成長したいのかを明確にすることが重要です。
ポイント④企業分析・理解を徹底する
未経験から設計士に転職するためには、企業の特徴や求めるスキルをしっかり分析することが大切。設計事務所、建築会社、ハウスメーカーなど、企業によって業務内容や求められる能力は異なります。そのため、各企業の業務内容や求める人物像を調べ、自分の強みをどう活かせるかを考えることが重要です。
また、企業の採用ページや口コミなどを活用してリアルな情報を集めるのがおすすめ。企業理解を深めることで、選考対策や面接時に入社意欲が高いことをアピールできるでしょう。
ポイント⑤自己学習を行う
未経験から設計士を目指すなら、自己学習をは必須です。設計士には、CADスキルや建築基準法の知識が求められるため、独学で学んだり、専門スクールやオンライン講座を活用したりすると良いでしょう。
CADソフトは「AutoCAD」や「Autodesk Fusion」などのソフトを使えるとアピールできます。また、設計に関する書籍を読む、実際の建築物を観察する、無料のCADソフトで練習するなど、実践的な学習を取り入れることで、未経験でも着実にスキルを伸ばせます。
AutoCADやAutodesk Fusionのソフトを使用したいという方は以下のリンクからダウンロードできます。
設計士になるため利用したいおすすめの転職エージェント
設計士になるためには転職エージェント選びが非常に重要です。ここでは、おすすめの転職エージェントを3つ紹介します。
転職エージェント | 求人数 | 特徴 |
JobTech for CAD | 普通 |
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マイナビエージェント | 多い |
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A-worker | 少ない |
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おすすめエージェント①JobTech for CAD
「JobTech for CAD」は、製造・建築業界に特化した転職支援サービスで、未経験者や経験の浅い人にもおすすめのサイトです。非公開求人や独占求人を多数保有しており、大手転職サイトには掲載されていない求人を紹介してもらえるのが魅力です。
専門の転職エージェントがサポートしてくれるため、キャリアプランの相談から面接対策まで手厚い支援を受けることが可能。また、提携している教育サービスを利用すれば、スキルアップしながら転職活動を進めることができ、未経験からでも業界に飛び込むチャンスを広げられます。
建築士、土木設計技師、施工管理スタッフ、CADオペレーターなど、幅広い職種の求人があり、登録後にスカウトが届く仕組みも魅力的です。
おすすめエージェント②マイナビエージェント
引用:マイナビエージェント
「マイナビエージェント」は、ジャンル問わず転職に強い日本でもトップクラスの転職サービスです。
施工管理をはじめとする建設業界の転職支援にも強く、ゼネコンやデベロッパー、大手事業会社など幅広い企業の求人を保有しており、希望のキャリアに沿った求人を紹介してもらえる点が特徴。特に、施工管理職の転職支援に詳しい担当者が在籍しているため、業界特有のキャリアアップ方法や職場環境について詳しく相談できます。
未経験者から経験者まで対応しており、スキルアップや年収アップを目指す人にもおすすめ。また、マイナビエージェントは企業とのコネクションが強く、内定獲得のための面接対策や書類添削などのサポートが充実しているため、転職活動をスムーズに進めたい人に良いでしょう。
おすすめエージェント③A-worker
引用:A-worker
「A-worker」は、建築設計事務所に特化した求人情報サイトで、設計士を目指す人にとっておすすめの転職サイトです。建築設計に関する求人を一括検索できるほか、独自の「スキルシート」を活用して、自分の経験やスキルを効果的にアピール可能。
さらに、SNSと連携して最新の求人情報をチェックできるため、タイムリーに転職活動を進めることが可能です。求職者と企業のマッチング精度を向上させる「マッチ数」機能もあり、希望に合った求人を探しやすいのも魅力です。設計関連の専門職に特化しているため、業界経験者がキャリアアップを目指す際にもおすすめのサイトです。
以下の記事では、おすすめの転職サイトを紹介していますので併せてご覧ください。
設計士におすすめの転職先
未経験から設計士を目指す際におすすめの転職先を3つ紹介します。
- ゼネコン
- 建築事務所
- ハウスメーカー
おすすめの転職先①ゼネコン
ゼネコンは、大規模な公共施設や商業ビル、インフラ整備などを手掛けます。設計士としてゼネコンに転職すると、設計だけでなく、施工管理やプロジェクトマネジメントのスキルも求められるため、設計業務以外の経験が積めます。
特に大手ゼネコンでは、意匠設計や構造設計、設備設計など専門分野ごとの部署があり、各分野のプロフェッショナルと連携しながら大規模プロジェクトを進めることができます。また、最先端の建築技術やBIMを活用した設計業務に携わる機会も多く、設計士としてのスキルアップを目指せるでしょう。ゼネコンは資本力が高いところも多いため、給与水準が高く、福利厚生も充実している点が魅力です。
おすすめの転職先②建築事務所
建築設計事務所は、建築の設計を専門に行う企業で、個人住宅から商業施設、公共建築まで様々なプロジェクトに関わることができます。特に意匠設計に関心のある方にとっては、自分のデザインやアイデアを反映しやすく、クリエイティブな仕事ができるでしょう。
設計事務所では、クライアントとの打ち合わせから基本設計、実施設計など様々な業務を担当することが多く、建築の全プロセスを深く理解できます。特に著名な建築家がいる設計事務所は、独自のデザイン哲学に基づいた建築に携われるため、設計スキルを高められるでしょう。
また、規模の小さい事務所では少人数で業務を回すため、幅広い業務に携わることが求められる一方で、自由度が高く、設計に対する裁量権を持ちやすい点も特徴です。
おすすめの転職先③ハウスメーカー
ハウスメーカーは、主に戸建住宅の設計・施工・販売を手掛ける企業で、設計士として転職すると、住宅のプランニングや顧客対応、施工管理まで幅広い業務に関わることができます。大手ハウスメーカーでは、規格住宅や注文住宅の設計を担当することが多く、設計士としての専門知識を活かしながら、顧客の要望を反映した住宅を提案できる点が魅力です。
注文住宅を扱う企業では、顧客と直接やり取りしながら設計を進める機会が多く、住宅設計に特化したスキルを磨くことができます。一方で、設計業務だけでなく、営業との連携やコスト管理、納期調整などビジネス視点での業務も求められるため、設計に専念したい人には向かない場合があります。
未経験から設計士に転職する上で失敗する理由
未経験から設計士に転職する上で失敗する人には共通した特徴があります。最後に特徴を紹介します。
- 自己学習をしていない
- 転職理由が不明確
- 仕事・業界の理解ができていない
理由①自己学習をしていない
設計士として未経験から転職を目指す場合、自己学習を怠ると転職活動期間が長引きやすくなります。設計士の仕事では、建築基準法や構造・設備に関する知識、CADやBIMなどの設計ソフトのスキルが求められます。自己学習をしないと、未経験者でも採用したいと思われる人材にはなりにくいでしょう。
また、設計士は実務経験が重視される職種のため、学校やオンライン講座で基礎を学ぶだけでなく、ポートフォリオを作成したり、アルバイトやインターンを活用して実務に近い経験を積むことが重要です。
まずは設計士に必要なスキルを学び、ポートフォリオを作成するなど、実践的な学習を積極的に行いましょう。
理由②転職理由が不明確
設計士への転職理由が不明確だと、「本当にこの仕事を続けられるのか?」と面接官に不安を持たれ、不採用になることが多くあります。特に未経験の場合、「なぜ設計士になりたいのか」「この業界でどんなキャリアを築きたいのか」といった明確な動機を示すことが求められます。漠然と「ものづくりが好きだから」「建築に興味があるから」といった理由だけでは、採用担当者に強い意志が伝わらず、他の候補者と比較して選考を通過しにくくなるでしょう。
企業側は未経験者を採用する際、成長の可能性や長く続ける意志を重視するため、「どのような設計業務をしたいのか」「将来どんな建築を手がけたいのか」といった具体的な目標を持つことが重要です。
そのため、転職活動を始める前に、なぜ設計士を目指すのかを言語化し、説得力のある転職理由を作ることが必要です。
理由③仕事・業界の理解ができていない
設計士の仕事や建築業界について十分に理解していないと、早期離職する可能性が高くなります。設計士は単に図面を描くだけではなく、クライアントとの打ち合わせ、法規チェック、施工管理との調整など、幅広い業務をこなす職種です。
また、設計事務所、ゼネコン、ハウスメーカーなど、勤務先によって仕事内容や働き方が大きく異なるため、業界の仕組みを理解していないと、自分に合わない職場を選んでしまうリスクもあります。ミスマッチを防ぐためには、実際に設計士として働く人の話を聞いたり、業界に関する本やセミナーを活用して情報収集することが重要です。
未経験から設計士へ転職についてのまとめ
未経験から設計士への転職は不可能ではありません。建築業界は経験者優遇の傾向が強いですが、未経験者でも十分転職は可能でしょう。そのためには、本記事で記載した転職を成功させるポイントや失敗するリスクを抑えましょう。
また、おすすめの転職エージェントでどのサービスを利用すればいいか迷った場合は、JOB TECHが運営する建築業・土木業界に特化した転職支援サービス「JobTech for CAD」の利用を検討してみてください。
