E資格の取得を目指す人にとって、どれだけの勉強時間が必要なのかは気になるところです。E資格は合格率は高いものの難易度も高い資格であり、一定の勉強時間を確保する必要があります。
そこで、本記事ではE資格合格までに必要な勉強時間やそれが必要な理由、効果的な学習方法まで解説します。これからE資格の合格を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
E資格の試験概要
E資格は、AIエンジニアとしての実力を証明できる資格です。主催は一般社団法人日本ディープラーニング協会であり、試験は年2回、2月と8月に実施されます。試験時間120分で、多肢選択式の問題が出題されます。試験範囲は広く、応用数学や機械学習、深層学習、開発環境などが含まれます。なお、受験には条件があり、認定プログラムの修了が必要です。
E資格に合格するための勉強時間
E資格の取得には、100~300時間の勉強時間が必要とされています。Study-AI社が実施した2021年アンケート調査結果によると、受験者の約9割がこの範囲で勉強していることがわかりました。具体的な内訳は以下のとおりです。
・100~200時間:45.59%
・200~300時間:42.65%
参考:Study AI
この結果から、多くの受験者が200時間前後の勉強時間を確保していたことがわかります。
また、出題分野ごとに推奨される勉強時間が異なります。
数学的基礎 | 50~100時間 |
機械学習の基礎 | 40~60時間 |
深層学習の基礎と応用 | 80~150時間 |
開発・運用環境 | 30~50時間 |
これらの時間配分は、各分野の重要性と難易度を反映しています。特に深層学習の分野はE資格の中核をなす部分であり、十分な時間をかけて学習する必要があるでしょう。
それから、勉強時間の長さは個人の背景知識や経験によっても変わってきます。
・プログラミングの経験
・数学の知識レベル
・機械学習や深層学習への馴染み度合い
これらの分野に馴染みがある人は、比較的短い時間で準備できる可能性があります。一方、初めて触れる人はより多くの時間が必要になるでしょう。
E資格合格に向けて勉強時間が必要な理由
E資格の勉強に多くの時間が必要な理由はいくつかあります。それらの要因が相まって、E資格の学習には相当な時間と労力が求められるのです。
試験範囲が広いから
E資格の試験範囲は非常に広範囲に及びます。応用数学(数学的基礎)、機械学習、深層学習、開発・運用環境という4つの分野をカバーしています。各分野にはさらに細かな項目があり、それぞれに深い理解が求められます。
たとえば、深層学習の分野だけでも、順伝播型ネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、リカレントニューラルネットワークなど、多岐にわたる内容を学ぶ必要があります。これらの幅広い知識を習得するには、当然ながら多くの時間が必要となるでしょう。
理論と実装の両方が求められるから
E資格の特徴の一つは、理論的な知識だけでなく実装能力も問われる点です。単に概念を理解するだけでは不十分で、Pythonを使ってニューラルネットワークを構築したり、TensorFlowやPyTorchなどの主要なライブラリを使いこなしたりする能力が必要です。
理論と実践の両方をマスターするには、座学だけでなく実際にコードを書く時間も確保しなければなりません。この二つの側面を学ぶために、より多くの時間が必要となるのです。
数学の要素が求められるから
ディープラーニングの根幹を成す数学的基礎の理解もE資格取得には欠かせません。線形代数、微積分、確率統計などの数学的知識は、ディープラーニングのアルゴリズムや原理を理解するうえで重要な役割を果たします。
しかし、これらの数学的概念は多くの人にとって簡単に習得できるものではありません。特に数学から離れていた期間が長い人や数学が苦手な人にとっては、学習に予想以上の時間がかかる可能性があります。
試験では制限時間内に多くの問題に回答する必要があるから
E資格の試験形式も、長い勉強時間が必要となる理由の一つです。120分の試験時間で約100問の問題に答えなければならず、1問あたりの制限時間は約1分しかありません。この時間制限の中で正確に解答するには、単に知識を持っているだけでは不十分です。素早く問題を理解し、正確に解答を選択する能力が求められます。
早く正確に解く力を身につけるには、繰り返しの練習と知識の定着が不可欠です。そのため、問題演習や模擬試験にも十分な時間を割く必要があるわけです。
E資格の勉強時間を確保する方法
仕事や日常生活と両立しながら十分な学習時間を確保するのは容易ではありません。そこで、ここからは効率的に勉強時間を確保するための方法を紹介します。これらの方法を組み合わせて勉強をすすめましょう。
通勤時間を有効活用する
通勤時は勉強時間を確保する絶好の機会です。通勤が片道1時間であれば、往復で2時間の学習時間になります。週5日で計算すると、週に10時間もの学習時間を確保できます。
そこで、スマートフォンやタブレットを使ってE資格の学習コンテンツを視聴しましょう。特に音声教材や電子書籍は場所を問わず活用できるので、積極的に使ってください。
インターネット環境がない場所やつながりにくい場所でも勉強したいときは、あらかじめ学習コンテンツをダウンロードしておくのも方法の一つです。
休憩時間を活用する
昼休みや短い休憩時間も勉強できるチャンスです。15分程度の短い時間でも、効果的な学習ができます。たとえば、単語帳や単語カードを使って用語の復習をしたり、簡単な問題を解いたりしましょう。これらの積み重ねは長期的には大きな学習時間になります。
なお、休憩時間の活用法には、次のようなものがあります。
・スマートフォンアプリで単語帳を作成して隙間時間に復習する
・1問だけでもE資格の過去問題に挑戦する
・E資格合格を目指す同僚と情報や意見の交換をする
特にE資格を受験する同僚がいると、さまざまな情報交換ができて刺激になるでしょう。
早起きして朝の時間を確保する
朝型の人にとっては、早起きして朝の静かな時間を学習に充てるのが効果的です。たとえば、普段より30分早く起きて学習すると、週に3.5時間の追加学習時間を確保できます。
また、朝は頭がクリアで集中力が高いため、難しい概念の理解や問題解決に適しています。ただし、早朝の勉強を効果的に行うためにも、前日に学習教材を用意したり何をするか決めておくことが大事です。
学習スケジュールを立てなおす
効率的な学習のためには、具体的なスケジュールを立てることが大切です。特に思うように学習が進まない場合は、一度立ち止まって計画を立て直す必要があります。これは課題を抱えていて改善しなければ、良い結果が期待できないためです。
たとえば、次のようなスケジュール例が考えられます。
平日(月~金)
・19:00~20:00:線形代数や確率統計などの数学基礎
・20:00~21:00:ディープラーニング理論
土曜
・10:00~12:00:PythonとTensorFlowのプログラミング実践
・14:00~16:00:画像認識や自然言語処理など応用分野
・16:00~17:00:模擬試験やアウトプット
日曜
・10:00~12:00:PythonとTensorFlowのプログラミング実践
・14:00~16:00:画像認識や自然言語処理など応用分野
・16:00~17:00:模擬試験の復習
このようなスケジュールを立てることで、日常生活と両立しながら効率的に学習を進められるでしょう。
学習内容に優先順位をつける
E資格の試験範囲は広いため、全ての分野を同じように深く学習するのは難しいものです。そこで、自分の強みや弱みを把握し、学習の優先順位をつけることが大切です。
たとえば、数学が得意な人は深層学習の理論により多くの時間を割り当てるなど、効率的な学習計画を立てましょう。
また、学習内容の優先順位をつけるときは、診断テストや模擬試験を受けるのがおすすめです。受験後の結果と本試験の配点を確認して、重要度の高い分野を優先して勉強してください。
オンライン学習を活用する
時間や場所の制約が少ないオンライン学習を活用すれば、隙間時間を有効活用できます。多くのJDLA認定プログラムがオンラインで受講可能となっています。また、より効率的に学習したい場合は、専門的なオンライン講座の利用も検討しましょう。
ただし、オンライン学習を活用する際は、次の点に着目してください。
・自分のペースで学習できる動画教材を選ぶ
・オンラインの質問掲示板を活用して疑問点をすぐに解決する
・バーチャル勉強会に参加して他の受験者と情報交換する
なお、効果的にE資格の学習を勧めたい場合は「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」がおすすめです。4日間という短期集中の講座で基礎から応用まで学ぶことができ、最後まで受講すれば本試験の受験資格も得られます。講座は会場受験だけではなく、ライブウェビナーやeラーニングでの受講も可能です。
それから試験の直前フォローアップ講習や模擬試験なども活用でき、総仕上げまで対応している講座です。オンライン講座の受講を検討している場合は、ぜひ「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」を検討してください。
E資格の勉強時間のまとめ
E資格取得には多くの時間と努力が必要ですが、効果的な学習方法を実践することで着実に目標に近づけます。通勤時間や休憩時間を活用したり朝早く起きたりして、勉強時間を確保しましょう。また、オンライン学習の活用も効果的です。自分に合った学習方法を見つけ、継続的に取り組むことが合格への近道となるでしょう。
本記事を参考にしながら、ぜひE資格の勉強に取り組んでみてください。
