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【2025】AI資格で人気のG検定とは?難易度やメリット・おすすめの勉強方法も紹介

AI技術の普及に伴い、AI関連の資格が数多く登場しています。中でも特に注目されているのが、日本ディープラーニング協会(JDLA)主催のG検定です。

しかし、G検定という言葉はよく耳にするものの、具体的にどのような資格で、どのくらいの難易度なのか、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、AI資格として人気の高いG検定について詳しく解説します。

G検定の概要や難易度、メリット、おすすめの勉強方法まで、G検定の取得を目指す方にとって役立つ情報を網羅しました。AI分野でのキャリアアップを目指し、G検定の取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

AI資格で人気のG検定とは?

AI資格で人気のG検定とは?

G検定(ジェネラリスト検定)は、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する、AI・ディープラーニングに関する知識と理解度を測るための検定試験です。

G検定は、経済産業省がオブザーバーとして関わるデジタルリテラシー協議会(Di-Lite策定団体)が推奨するAI資格の一つとして挙げられています。

Di-Liteとは?

Di-Liteは、デジタルリテラシー協議会が全てのビジネスパーソンに求められるデジタルリテラシーの範囲を体系的に示したものです。

Di-Liteでは、現代のビジネスシーンにおいて不可欠なデジタルスキルを、以下の3つの領域で定義しています。

ITソフトウェア領域 基本的なITツールやソフトウェアの活用能力
数理・データサイエンス領域 データ分析や統計に関する基礎知識
AI・ディープラーニング領域 人工知能や深層学習に関する基礎知識

Di-Liteでは、これらの領域における学習範囲の推奨として、「ITパスポート試験」「G検定」「データサイエンティスト検定」の3つの試験のシラバス範囲を挙げています。

参照:Di-Lite

AI資格のG検定の概要

AI関連の資格は数多く存在しますが、中でもG検定は、Di-Liteでも推奨されているビジネスパーソンに人気の資格です。では、G検定とは一体どのような試験なのでしょうか?

ここでは、G検定の試験やシラバスについて解説していきます。

G検定の試験について

以下に、G検定の試験概要をまとめました。受験を検討している方は、しっかり確認しておきましょう。

主催 日本ディープラーニング協会(JDLA)
受験資格 制限なし
試験形式 オンライン実施(自宅受験)
試験時間 120分
出題内容 知識問題(多肢選択式)
出題数 160問程度
出題範囲 シラバスより出題
受験費用 一般:13,200円
学生:5,500円(各種割引制度あり)

引用元:日本ディープラーニング協会

G検定のシラバス

G検定の目的は、「AI・ディープラーニングとは何か」「活用すると何ができて、そのために何が必要か」を理解することです。

詳しいシラバスは以下をご参照ください。

人工知能(AI)とは AIの基礎知識 人工知能の定義、AIの歴史、AIを取り巻く動向
AI分野の課題 トイプロブレム、フレーム問題、弱いAI、強いAI、身体性、シンボルグラウンディング問題、特徴量設計、チューリングテスト、シンギュラリティ
機械学習 機械学習の手法 教師あり学習、教師なし学習、強化学習
データと評価 データの扱い、評価指標
ディープラーニング ディープラーニングの基礎 ニューラルネットワークとディープラーニング、既存のニューラルネットワークにおける問題、ディープラーニングのアプローチ、CPUとGPU、データ量、活性化関数、学習率の最適化
ディープラーニングの手法 CNN、深層生成モデル、画像認識、音声処理、自然言語処理、RNN、深層強化学習、ロボティクス、マルチモーダル、モデルの解釈性
ディープラーニングの社会実装 プロジェクトと技術 AIプロジェクトの計画、データ収集、加工・分析・学習、実装・運用・評価
法務と倫理 個人情報保護法、著作権法、不正競争防止法・特許法、契約、倫理、プライバシー、バイアス、透明性、アカウンタビリティ、ELSI、XAI、ディープフェイク、ダイバーシティ

参照:日本ディープラーニング協会

生成AI時代にG検定の資格を取得するメリット

生成AI時代にG検定の資格を取得するメリット

近年、生成AIの活用はビジネスの競争力を左右する重要な要素となってきました。

「生成AIガイドライン」を策定する企業も増えはじめ、まさに生成AIの活用方法が企業の将来を決定づける時代といえるでしょう。

こうした状況の中で、G検定を取得することで、次のようなメリットが得られます。

  1. 生成AIを安全かつ効果的に活用できる
  2. 企業の生成AI導入を推進できる

①生成AIを安全かつ効果的に活用できる

生成AIに関する実態調査2023秋

G検定の資格を取得すると、生成AIを安全かつ効果的に活用できるようになります。生成AIの普及が進むにつれ、「競合他社に遅れを取る」「新規参入者に市場を奪われる」といった声も増えてきました。

上記画像のPwC「生成AIに関する実態調査2023秋」によると、『他社(者)より相対的劣勢にさらされる脅威』は2023年春の調査から秋の調査で18ポイント増加しており、多くの企業が生成AIの急速な広がりに脅威を感じていることが明らかになっています。

そのような時代背景の中、G検定ではAIの基礎知識に加え、生成AIの仕組みや効果的な使い方、さらに倫理や法律についても幅広く学べます。つまり、G検定は、生成AIのリスクを理解しつつ、効果的に活用するスキルが身につく資格なのです。

「ビジネスの現場で自信を持って生成AIを活用したい」「生成AIの活用を任せられる人材を目指したい」と考える方にとって、非常に有意義な資格といえるでしょう。

参照:PwC

②企業の生成AI導入を推進できる

生成AIに関する実態調査2023秋

G検定の資格取得は、企業の生成AI導入を推進する上で大きなメリットとなります。

PwC「生成AIに関する実態調査2023秋」によれば、多くの企業が生成AIの導入に関心を寄せている一方で、社内の知識不足が障壁となり、その活用が進んでいない現状が明らかになりました。

『社外向けの生成AI活用サービスを提供している』2023年春は生成AIへの関心度、同年秋の調査は活用状況の変化を表していると推察

しかし、G検定の学習を通じてAIの基礎知識を体系的に習得し、生成AIの導入から活用方法までを深く理解できます。「生成AI導入のリーダーシップを発揮し、企業の成長を牽引したい」と考える方にとって、G検定はキャリアを大きく後押ししてくれる資格となるでしょう。

参照:PwC「生成AIに関する実態調査2023秋」

AI資格のG検定受験者の属性

続いて、AI資格のG検定受験者の属性を見てみましょう。

ここでは、2024年第6回試験におけるG検定の年代別および業種別の合格者数データから、受験者層の状況を詳しく解説します。

年代別受験者層

G検定合格者は、約65%が20代と30代で占められており、40代、50代の合格者もそれぞれ20%前後、10%以上存在していました。

10代以下の合格者も僅かながら存在することも含め、基本的にはAI技術への関心が高いのは若年層で、キャリアアップやスキルアップのために積極的に学習していることが伺えます。

業種別受験者層

業種別合格者数から見る受験者層は、情報処理・提供サービス業、製造業、ソフトウェア業が上位、金融・保険業、不動産業も高い割合を占めています。

これらから、AI技術が社会全体に浸透していく中で、様々なバックグラウンドを持つ人々がG検定という資格取得を目指していることが見えてきました。

引用元:日本ディープラーニング協会

AI資格のG検定の難易度は?

AI資格のG検定の難易度は?

AI資格で人気のG検定は、具体的にどの程度の難易度があるのでしょうか?以下では、類似AI資格との比較、合格者の学習時間から難易度を推察してみます。

AI資格と比較

まずは、代表的なAI関連資格の難易度を比較し、G検定の位置づけを明確にしていきましょう。

AI関連の代表的な資格と一般的な難易度を表にまとめたので、まず目を通して見てください。

資格名 概要 難易度
E資格 日本ディープラーニング協会(JDLA)提供のエンジニア向け資格
統計検定 統計に関する知識や活用力を評価する資格 中~高
(専門分野による)
G検定 AI・ディープラーニングの知識とビジネス活用能力を問う資格
基本情報技術者 ITエンジニアとしての基本的な知識・技能を証明する資格 易~中
データサイエンティスト検定リテラシーレベル データサイエンスの基礎知識を証明する資格 易~中
ITパスポート  ITに関する基礎的な知識を証明する資格

上記から、G検定はAI関連資格の中で中程度と推察されます。

G検定は、E資格と比較して難易度は低いですが、ITパスポートや基本情報技術者、データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)よりもやや難易度が高いといえます。

統計検定は、G検定とは試験範囲が大きく異なり、レベルによって難易度が変動するため、単純な比較は困難です。

学習時間で検証

続いて、G検定合格者の学習時間から難易度を考察してみましょう。

2024年第2回のG検定受験者アンケートによると、受験者の6割以上が50時間以内の学習で合格しており、最も多かった学習時間は30〜50時間でした。この結果から、G検定は比較的短期間の集中学習で合格を目指せる試験であるため、中程度の難易度と考えられます。

ただし、これらのデータはあくまで平均値であり、個々人の学習経験やAIに関する知識レベルによって必要な学習時間は大きく異なります。特に、ITリテラシーや数学の基礎知識が不足している場合は、平均よりも多くの学習時間が必要となるでしょう。

したがって、G検定を受験する際には、まず自身の知識レベルを客観的に把握し、余裕を持った学習計画を立てることが重要です。

参照:日本ディープラーニング協会

AI資格のG検定を勉強する方法は?

AI資格のG検定を勉強する方法は?

AI資格のG検定の勉強法は主に3つで、ステップごとに学習すると、より効果的です。では、一つひとつ解説していきましょう。

  1. G検定公式テキストを利用する
  2. 講座に参加する
  3. 過去問題にチャレンジする

ステップ①G検定公式テキストを利用する

AI資格のG検定の勉強方法としては、G検定公式テキストの利用が挙げられます。JDLA公式サイトで紹介されている公式テキストは、多くの受験者が利用しており、G検定の試験範囲を網羅的に学習できる定番の教材です。

公式テキストは、図やイラストが豊富で、初心者でも理解しやすいように工夫されています。G検定対策の基礎となるため、まずは公式テキストをしっかりと学習することからスタートしてみましょう。

公式テキストには以下のような書籍があります。

  • 最短突破 ディープラーニングG検定(ジェネラリスト) 問題集 第2版
  • 深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第2版
  • ディープラーニングG検定(ジェネラリスト)最強の合格テキスト[明瞭解説+良質問題]

ステップ②講座に参加する

AI資格のG検定のテキスト学習を行ってみて、「個人学習では難易度が高い」と感じた方もいるでしょう。また、G検定の学習を効率的に進めたい方もいると思います。そんな方に最適なのが、JDLA認定 G検定対策講座です。

JDLA認定 G検定対策講座では、G検定の基礎から段階的に学び進め、G検定の資格取得に向けて全面バックアップしてくれます。受講期間はわずか1日で、受講形式は3種類から選択可能です。独学での学習に不安がある方は、ぜひ講座の受講を検討してみてください。

なお、当講座は人気が高く、受講形式、スケジュールによっては満席となっています。まずは、以下のページからスケジュールを確認してみましょう。

ステップ③過去問題にチャレンジする

AI資格・G検定学習の最終ステップとして、ぜひ過去問題に積極的にチャレンジしてみてください。過去問題を解くことで、実際の試験形式や出題傾向を把握できます。

過去問題を解く際は、時間を計って本番さながらの状況で取り組むと効果的です。

過去問題を解いた後は、必ず解答と解説を確認し、間違えた箇所や理解が曖昧な箇所を重点的に復習しましょう。なお、過去問題は、JDLA公式サイトで入手できます。

AI資格のG検定の過去問と解答・解説

AI資格のG検定の過去問と解答・解説

ここでは、先ほどお伝えしたAI資格のG検定の過去問題と解答、解説を3つ紹介しましょう。

G検定の過去問題に実際にチャレンジしていただき、それぞれの解答と解説をじっくりと読み込むことで、「G検定というAI資格はどのようなものなのか」という疑問を、より深く、そして多角的に解き明かしていただけるはずです。

①G検定「2022#1」の過去問題

AI研究には過去に2度のブームが起こり、現実的な進展が周囲の過剰な期待に追いつかず、それらのブームは終焉を迎えた。第2次AIブームで登場し、第1次AIブームの時代に比べて適用範囲は広がったものの、知識を明示的な形で記述することの難しさがネックとなってしまったものとして、最も適切な選択肢を1つ選べ

A)ディープラーニング
B)コグニティブコンピューティング
C)機械学習
D)エキスパートシステム

引用元:日本ディープラーニング協会

解答

D)エキスパートシステム

解説

AI研究は過去に2度のブームを経験し、第2次AIブームでは、人間の専門知識をコンピューターに取り込み問題を解決する「エキスパートシステム」が注目されました。

例えば、医者が患者の症状から病気を特定する、エンジニアが機械の故障を特定する方法をプログラムに組み込むことで、専門家の判断をAIが再現することが期待されたのです。しかし、人間の専門知識をコンピューターにすべて記述しきれず、このブームは終焉を迎えます。

一方、ディープラーニングは、データをもとにAIが自律的に知識を学習するため、知識を事前に記述する必要がありません。この違いが、従来のエキスパートシステムと現代のAIの大きな相違点となっています。

②G検定「2024#6」の過去問題

あなたは来月リリース予定のECサイトにおけるレコメンデーションエンジンの作成を任された。商品が多いので、サイトのリリース時点で使えるレコメンドを開始したいという要望を受けた。この時、良好な精度が期待できる手法として、最も適切な選択肢を 1 つ選べ

A)コンテンツベースフィルタリング
B)協調フィルタリング
C)主成分分析 (PCA)

引用元:日本ディープラーニング協会

解答

A)コンテンツベースフィルタリング

解説

商品の情報(商品の説明やカテゴリー)をベースに、顧客に適したおすすめ商品を提案するのが「コンテンツベースフィルタリング」です。

例えば、「猫用のおもちゃ」を購入する場合、コンテンツベースフィルタリングでは、猫用のおもちゃや猫用の関連商品(猫用のおやつなど)がおすすめされます。顧客の過去の購入履歴がなくても、商品の情報だけでおすすめができるので、ECサイトを始めたばかりの時に便利な手法です。

なお、ECサイトを始めたばかりで、顧客の購入履歴が集まっていない場合、顧客の既存情報に頼る「協調フィルタリング」は難しいです。

また、主成分分析(PCA)は大量のデータから重要な特徴を抽出し、次元を圧縮するための手法です。レコメンドの前処理として活用されることはありますが、PCA自体が直接おすすめを行うわけではないため、このケースには適していません。

③G検定「2022#1」の過去問題

検証データにデータリーケージがあった場合の影響について述べたものとして、最も適切な選択肢を1つ選べ

A)検証時には精度が良かったが、実際に導入すると精度が悪くなる
B)一定以上、学習が継続できなくなる
C)過学習が起きやすくなる
D)学習にかかる時間が増加する

解答

A)検証時には精度が良かったが、実際に導入すると精度が悪くなる

解説

データリーケージ(データ漏洩)とは、本来は学習に使うべきでないデータ(検証データなど)が学習データに含まれてしまうことで、分かりやすくいうと、AIが「答えを見てしまった状態でテストを受けている」のと同じ状況を指します。

例えば、

  • 学習データ:商品説明+売上データ
  • 検証データ:商品説明だけ(売上データは含まない)

とすべきところを、誤って売上データを学習データに含めてしまうと、AIは「売上を予測するための答え」を既に知っていることになります。そのため、検証時の精度は非常に高く見えるものの、実際の運用(本番環境)では正しく予測できなくなるのです。

AI資格のG検定についてまとめ

この記事では、人気のAI資格・G検定について多角的に、そして網羅的にご紹介しました。G検定を耳にしたことがある方、興味を持っている方、資格取得を検討している方など、様々な方がいらっしゃると思います。

やはり、G検定がどのような試験なのか、まず知っておきたいと思う方が多いでしょう。G検定がどのような資格かを知るには、記事内で紹介したような過去問題を見ると大まかな雰囲気が掴めます。

しかし、過去問題は、初心者にとって専門用語の多さなどで壁を感じがちです。そんな場合は、JDLA認定 G検定対策講座を受講して基本から段階的に学び進めていきましょう

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