「AIの知識を身につけたいけれど、何から始めればいいのかわからない」「就職や転職で有利になるAI資格試験が知りたい」…こうした悩みを抱える方は少なくありません。AI技術は今やビジネスの最前線で活用されており、資格を通じてスキルを証明できれば、キャリアの選択肢が広がります。
本記事では最新のおすすめAI資格試験を厳選し、それぞれの特徴や選び方、合格に必要な知識まで丁寧に解説します。自分に合ったAI資格試験を見つけたい方にとって、有益な情報が詰まった内容なので、ぜひ参考にしてください。
AI資格試験のおすすめ11選
この章では、AI資格試験のおすすめ11選として、以下の資格をそれぞれ紹介していきます。
資格名 | 概要 | 運用元 | 難易度/合格率 | 分類 |
①生成AIパスポート | 生成AIの基礎知識や活用方法を問う試験 AI活用者向け |
日本ディープラーニング協会(JDLA) | 易しい〜普通 非公開(初心者でも挑戦可能) |
民間資格 |
②G検定 | AIの基礎理論や活用知識を問う検定 AI活用者向け |
日本ディープラーニング協会(JDLA) | 普通 約65〜75% |
民間資格 |
③E資格 | 深層学習の実装能力を問う試験 開発エンジニア向け |
日本ディープラーニング協会(JDLA) | 難しい 約60%前後 |
民間資格 |
④DS検定リテラシーレベル | データサイエンス全般の基礎知識を問う試験 ビジネス活用者向け |
データサイエンティスト協会 | 普通 約70% |
民間資格 |
⑤統計検定 | 統計の基礎から応用までを問う検定 分析業務者・エンジニア向け |
統計質保証推進協会 | 級による(2級で約50〜60%) | 民間資格 |
⑥画像処理エンジニア検定 | 画像処理技術の知識を問う検定 開発エンジニア向け |
CG-ARTS協会 | 普通 約60〜70% |
民間資格 |
⑦Pythonエンジニア認定データ分析試験 | Pythonを用いたデータ分析スキルを問う試験 分析エンジニア向け |
一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 | 普通 約70% |
民間資格 |
⑧AI実装検定 | AIのアルゴリズム実装力を問う試験 開発エンジニア向け |
AI技術教育協会 | 級による(S級で約60〜70%) | 民間資格 |
⑨Professional Data Engineer | データ処理基盤とAI活用を設計・管理できる能力を問う試験 開発者向け試験 |
Google Cloud | 難しい 非公開(実務経験推奨) |
民間資格 |
⑩AWS Certified Machine Learning-Specialty | AWS環境における機械学習設計・運用スキルを問う試験 開発者向け |
Amazon Web Services | 難しい 焼く50% |
民間資格 |
⑪AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentals | Azure上でのAIサービスの基本を問う試験 AI活用者向け |
Microsoft | やや易しい 非公開(初心者向け) |
民間資格 |
①生成AIパスポート
生成AIパスポートは、生成AIの基礎知識から活用方法までを体系的に学べるAI資格試験です。ChatGPTやCopilotなどの活用が業務で求められる方や、今後AIを取り入れたいと考えているビジネスパーソンに最適で、試験範囲は技術者に限定されておらず、AIを使いこなしたい一般の社会人や管理職にも適しています。
「まずはAIの全体像を短期間でつかみたい」「現場で使えるスキルをすぐに身につけたい」と考えている方には、試験対策と実務スキルの両方を兼ね備えた学習機会として、生成AIセミナーの受講もおすすめです。未経験者でも応用レベルまで習得できるプログラムで、ChatGPTやCopilot、画像・動画生成ツールの活用から、自社独自のAIチャットボットの構築まで幅広くカバーしています。
セミナー名 生成AIセミナー 運営元 GETT Proskill(ゲット プロスキル) 価格(税込) 27,500円〜 開催期間 2日間 受講形式 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー
②G検定
G検定は、ディープラーニングを中心としたAIの理論や活用方法について体系的に問われるAI資格試験です。AIに関する知識を幅広く学びたいビジネスパーソンや、将来的にAI関連のプロジェクトに携わりたいと考える非エンジニア層にも適しています。
運営元は日本ディープラーニング協会(JDLA)で、AIリテラシーの基盤を固める上でも有効な資格といえるでしょう。受験にあたってプログラミングの実務経験は不要ですが、専門用語や理論が多く、独学では挫折する人も少なくありません。
「G検定を短期間で確実に合格したい」と考えているなら、試験範囲に的を絞ったG検定対策講座の受講を検討するのもおすすめです。AIの仕組みや各種アルゴリズムの理解から始まり、模擬試験や復習教材までしっかりと用意されており、未経験者でも合格まで迷わず進めるよう構成されています。
セミナー名 G検定対策講座 運営元 GETT Proskill(ゲット プロスキル) 価格(税込) 5,500円〜 開催期間 2日間 受講形式 eラーニング
③E資格
AI開発を担うエンジニア向けに設計された本格的なAI資格試験です。内容は深層学習(ディープラーニング)を中心に構成されており、実装力や理論的理解が問われるため、開発現場でAIを扱う技術者にとって大きな強みになります。
一見難しそうですが、正しい学習ステップを踏めば合格は十分に可能です。そうした不安を解消し、効率よく合格を目指したい方には、E資格対策ディープラーニング短期集中講座の活用がおすすめです。
事前学習から本講義、復習教材、模擬試験に至るまで体系的にサポートされており、未経験者でも無理なく深層学習の本質を理解できますので、ぜひチェックしてみてください。
セミナー名 E資格対策ディープラーニング短期集中講座 運営元 GETT Proskill(ゲット プロスキル) 価格(税込) 54,780円〜 開催期間 4日間 受講形式 対面(東京)・ライブウェビナー・eラーニング
セミナー受講の前に、E資格の概要をもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も参考になります。
④DS検定リテラシーレベル
DS検定リテラシーレベルは、データサイエンスの基礎知識を幅広くカバーするAI資格試験です。「現場でデータを使って課題解決をしたい」「AIや統計の知識を体系的に学びたい」と考えるビジネス職・非エンジニア職の方に適しています。
試験ではデータ活用の基本的な考え方から、AIの活用例、セキュリティ、法令までをバランスよく問われるため、業務の中でAIと関わる機会のある方には非常に実用的な内容です。
統計に苦手意識をもっている方は、ぜひ基礎から実践スキルまで一気に学べるデータサイエンティストセミナーの活用をご検討ください。統計の基礎からPythonによる分析手法、ビジネス課題の抽出・提案まで、体系的に学べる構成となっており、実践力と検定対策の両面を一気に高めたい方に適しています。
セミナー名 データサイエンティストセミナー 運営元 GETT Proskill(ゲット プロスキル) 価格(税込) 41,800円〜 開催期間 2日間 受講形式 対面(東京)・ライブウェビナー・eラーニング
⑤統計検定
統計学に関する知識や応用力を客観的に評価するAI資格試験です。AIやデータ分析の土台となる統計の理解は、エンジニアはもちろん、ビジネス職にとっても欠かせないスキルとなりつつあります。
試験は1級〜4級、統計調査士など複数のレベルに分かれており、自分の知識レベルに応じて段階的にスキルアップを目指すことができます。とくに2級では回帰分析や仮説検定など、実務でも活かせる内容が出題されるため、AIや機械学習の基礎を支える力を養いたい方にとって有益な資格といえるでしょう。
合格率は級ごとに異なりますが、2級で約50〜60%前後となっています。
⑥画像処理エンジニア検定
画像処理エンジニア検定は、コンピュータビジョンや画像認識に関する知識を評価するAI資格試験です。画像解析やAIカメラの導入が進む中で、画像処理技術の基礎を正しく理解しておくことは、開発エンジニアにとって大きな強みになります。
試験はベーシック(基礎)とエキスパート(上級)の2区分があり、信号処理や画素の構造、アルゴリズムに関する知識が問われます。AIや機械学習と連携した画像処理の基礎を体系的に学びたい方にとって、有意義な検定といえるでしょう。
合格率はおおむね60〜70%前後で、過去問対策を丁寧に行えば十分に合格が目指せます。
⑦Pythonエンジニア認定データ分析試験
Pythonを用いたデータ処理や分析のスキルを客観的に証明できるAI資格試験です。対象者はエンジニアに限らず、業務でデータ分析や可視化を行うビジネスパーソンにも広がっています。
出題範囲にはpandasやNumPyなどの主要ライブラリが含まれ、Pythonによる実務的なデータ操作スキルが問われます。合格率は約70%で、しっかりと準備すれば初心者でも合格を目指せる難易度といえるでしょう。
とはいえ、プログラミングこそ最初の一歩に戸惑ってしまうもの。そうした方には、基礎文法からデータ処理・機械学習の実装までを網羅できるPython基礎セミナー講習の受講が有効です。
Pythonの基本操作からスクレイピング、AIによる予測分析や自動化まで体系的に身につけることができ、業務への即応力を高めたい方にもぴったりの内容です。
セミナー名 Python基礎セミナー講習 運営元 GETT Proskill(ゲット プロスキル) 価格(税込) 27,500円〜 開催期間 2日間 受講形式 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング
⑧AI実装検定
AI実装検定は、AIの仕組みを理解するだけでなく、実際に使えるレベルの技術を身につけたい人に適した資格です。Pythonを使ったモデル構築や実装スキルが問われるため、開発エンジニアを目指す方に向いています。
AI導入を任される立場で、「理論は学んだけど実装が不安」という方の壁を越える足がかりになるでしょう。業務で活かせる実践力を磨きたい方には有効なステップです。
⑨Professional Data Engineer
Professional Data EngineerはGoogle Cloud認定の資格で、データ活用における設計・構築・運用の実務スキルを証明できます。クラウド環境でのデータパイプライン構築や機械学習モデルの運用など、より実践的なスキルが問われるため、クラウドエンジニアやデータエンジニアを目指す方に最適です。
「クラウドで何ができるか」ではなく、「どう動かすか」まで踏み込んだ知識が求められるため、業務での即戦力として評価されやすい資格でしょう。
⑩AWS Certified Machine Learning-Specialty
AWS上での機械学習システムの設計・構築・運用スキルを証明できる上級資格です。モデル選定からトレーニング、デプロイ、継続的な改善まで、幅広い知識が求められます。
機械学習の基礎だけでなく、SageMakerなどAWS特有のサービス理解も必要となるため、実務経験者向けといえます。
⑪AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentals
AIの基本概念とAzure上での活用方法を体系的に学べる入門資格です。機械学習や自然言語処理、コンピュータビジョンなどの基礎知識に加え、AzureのAI関連サービスの使い方も問われます。
コーディング経験は不要で、これからAI活用を学びたいビジネス職・非エンジニア層にも適しています。クラウド時代のAIリテラシーを身につけたい方にぴったりの検定といえるでしょう。
なお、Azure系の資格をより詳しく知りたい方は、以下もご覧ください。
目的に合ったAI資格試験を選ぶ3つのポイント
AI資格試験は数多くありますが、自分に合ったものを選ばなければ学習効果は半減してしまいます。やみくもに受けるのではなく、「何のために受けるのか」「どんな知識が必要か」「取った後にどう活かしたいか」を整理することが、失敗しない選び方の第一歩になります。
ここでは、AI資格試験を選ぶポイントを、以下のとおりお伝えします。
- キャリアプランやゴールを明確にする
- 受験に必要な前提スキルをチェックする
- 試験後の実務適用度を重視する
①キャリアプランやゴールを明確にする
AI資格には
- 活用スキルを証明するもの
- 開発スキルを問うもの
があり、自分の進みたい道によって選び方は大きく変わります。たとえば、ビジネス職でAI活用を目指すならG検定やAI-900、エンジニアとしてAI開発に携わりたいならE資格やAWS MLなどが向いています。
また「転職の武器にしたいのか」「現職のキャリアアップが目的か」によっても適した資格は異なるため、ゴールから逆算して選ぶ意識が重要です。
②受験に必要な前提スキルをチェックする
資格によっては、数学やプログラミングなどの基礎知識が前提とされることもあります。たとえばE資格やAI実装検定は、Pythonや深層学習の知識がないと太刀打ちできません。
一方で、AI-900やG検定は初心者でも挑戦しやすい内容です。自分の現在地を客観的に見て、学習の負荷が大きすぎない試験から始めると、挫折せず継続しやすくなるでしょう。
③試験後の実務適用度を重視する
資格を取ること自体がゴールではなく、学んだ内容をどう実務に活かせるかが重要です。たとえばDS検定リテラシーレベルではビジネスでの分析活用が想定されており、日常業務に直結しやすいです。
一方でE資格などは、ある程度の専門性が求められる業務に対応する内容です。資格の学習内容と自分の業務との親和性を事前に確認しておくことで、学んだ知識が無駄にならずに済みます。
AI資格試験合格に必要な5つの知識
AI資格試験に合格するには、AI技術そのものだけでなく、周辺の幅広い知識も求められます。とくにプログラミングや数学の基礎がないと、内容が理解できず挫折するケースも少なくありません。
ここでは、試験合格に向けて押さえておきたい主要な知識分野を、以下のとおり5つ紹介します。
- プログラミング(Python)
- ディープラーニング
- 応用数学
- 法規および論理
- データベース
①プログラミング(Python)
多くのAI資格試験では、プログラミング言語とくにPythonの基本操作が求められます。変数やループ、関数といった基礎文法に加えて、NumPyやPandasなどのライブラリも理解しておくと有利です。
開発系の資格、たとえばE資格やAI実装検定では、Pythonを用いたモデル実装スキルが前提になっていることが多いため、事前の学習は必須といえるでしょう。
②ディープラーニング
ディープラーニングは、G検定やE資格などでは重点的に出題されます。ニューラルネットワークの仕組み、誤差逆伝播法、活性化関数などの理解が必要な分野です。
実装知識だけでなく、理論的な背景まで問われることがあるため、数式や概念を丁寧に学ぶ必要があります。基礎を固めたうえで、実際に手を動かして学習すると理解が深まります。
③応用数学
AI資格試験では線形代数や確率統計、微積分などの応用数学が基盤となる知識として扱われます。とくにE資格では、これらの数式や理論の理解が合否に直結します。
統計検定や数学の入門書を活用し、関数の性質や行列演算、正規分布などをおさらいしておくと良いでしょう。数学が苦手な人は、学習にやや時間がかかる分野ですが、丁寧に進めれば確実に身につきます。
④法規および論理
AIが社会に与える影響が大きくなる中で、法規や倫理についての理解も求められています。G検定などでは、AIに関する個人情報保護や説明責任、バイアスの問題なども出題範囲に含まれます。
法規および論理は技術者だけでなく、ビジネス職にも必要な素養であり、実務にも直結する知識です。日本国内外の法制度やAI原則を理解することで、より実践的な視点でAIに関わることができるようになります。
⑤データベース
AIの前提にはデータの整備と活用があり、データベースの知識も重要です。SQLの基本操作や、構造化データと非構造化データの扱い方、ETL処理の基礎などが理解できていると、AIモデルの学習や評価がスムーズになります。
実務では、データ基盤の構築から分析までを一貫して行うケースもあるため、AI資格を活かす場面でも欠かせない知識として重視されています。
AI資格試験を受ける3つのメリット
AIに関する資格試験は、単に知識を増やすだけではなく、実務に直結するスキルを身につけたり、キャリアの選択肢を広げたりするための大きな武器になります。ここでは、AI資格を取得することで得られる主なメリットを、以下の3つに絞って紹介します。
- 実務に応用可能な「AIリテラシー」が身につく
- AI導入やDX推進のリーダーとしての説得力が増す
- AI関連職へのキャリアチェンジ・転職に強くなる
①実務に応用可能な「AIリテラシー」が身につく
AI資格試験の多くは、単なる暗記ではなく、AI技術をどう使うかまで問われます。そのため取得を通じてAIの仕組みや限界、活用方法までを体系的に理解できるのが大きな魅力です。
実務でAIを導入・運用する際の判断力が身につき、業務効率化やデータ活用にも役立ちます。とくに活用者向け資格を選べば、専門職でなくても日常業務にAIを活かせるようになるでしょう。
②AI導入やDX推進のリーダーとしての説得力が増す
企業のDX推進やAI導入プロジェクトでは、「AIの知識がある」ことを客観的に示せる資格が大きな信頼材料となります。G検定やAI-900のような活用寄りの資格を持っていれば、社内での提案時やプロジェクトマネジメントの場面で、リーダーとしての説得力が増すことは間違いありません。
実際に知識がある人が旗振り役になることで、AI導入が形だけで終わらず、成果につながりやすくなります。
③AI関連職へのキャリアチェンジ・転職に強くなる
AIエンジニアやデータサイエンティストといった職種への転職を目指す際、AI資格の保有は大きなアピール材料になります。中でもE資格やProfessional Data Engineerなどは、開発スキルの証明として評価されやすく、書類選考や面接でも有利に働きます。
未経験からAI領域に挑戦する場合も、資格を通じて一定の学習意欲と基礎力があることを示すことができるでしょう。
AI資格試験についてまとめ
AI資格試験は、単なる知識習得にとどまらず、キャリア形成や転職活動を有利に進めるための強力な武器になります。自分のゴールや現在地に合った資格を選び、計画的に学習することが成功の鍵です。
AIを使いこなす人材として活躍したい方は、今回紹介した内容を参考に、次の一歩を踏み出してみましょう。
