「IT業界へ転職をしたい」「専門的なスキルを身につけてキャリアを広げたい」と考える方も多いでしょう。IT業界は深刻な人手不足で人材の需要も高くなっているため、転職も十分に可能な業種です。
ただ「IT業界に挑戦したい」と思うだけでは成功は難しく、適切なステップを踏むことが重要です。
そこで本記事では、未経験からでも実践できる4つの転職ステップを解説しながら、IT業界で収入を上げるための具体的な方法や取得すべき資格についても紹介していきます。
IT業界への転職が注目されている3つの理由
IT業界への転職が注目される理由は大きく3つあります。
- 市場ニーズの高まりと人材不足
- 平均収入が高水準
- 将来性と働き方の柔軟性が高い
①市場ニーズの高まりと人材不足
近年はDXの推進により、業種や企業規模を問わずIT人材の必要性が急速に高まっています。経済産業省の調査では、2030年には最大で約79万人もの人材不足に陥る可能性が指摘されており、慢性的な人手不足は求職者にとって有利な状況を生み出しているのです。

そのため、スキルを持たない未経験者でも「育成を前提に採用したい」と考える企業が増加しており、結果として、IT業界は人材不足が逆にチャンスとなる分野として注目を集めています。
②平均収入が高水準
IT業界が転職先として注目される大きな理由の一つに、比較的高い収入水準があります。国税庁が発表した「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収は460万円です。
一方で厚生労働省が提供する「職業情報提供サイト jobtag」によると、IT業界の職種の1つであるシステムエンジニアの平均年収は、約574万円となっています。もちろん、企業の規模や本人の経験・スキルによって幅はあるものの、他の業界より稼げる可能性が高いという点は、多くの人がIT業界を選ぶ動機の一つになっています。
③将来性と働き方の柔軟性が高い
IT業界のもう一つの魅力は、安定した将来性と柔軟な働き方が両立できる点です。景気に左右されにくい特性があり、コロナ禍においてもIT人材の需要は落ち込むことなく維持されました。
また、リモートワークやフレックスタイム制など柔軟な働き方が普及しており、ライフスタイルに合わせた働き方を選びやすいのも特徴です。安定性と柔軟性の両方を兼ね備えていることが、IT業界が多くの人に選ばれる理由です。
以下の記事では、IT未経験の転職が難しいのか?について解説していますので、ご覧ください。
IT業界の仕事一覧

「IT業界の仕事」と言っても、その職種は多岐にわたります。自分に合ったキャリアを見極めるためにも、まずIT業界の代表的な職種とその特徴を押さえておきましょう。
| 職種 | 主な業務内容・特徴 |
|---|---|
| システムエンジニア(SE) |
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| プログラマー(PG) |
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| Webエンジニア/フロントエンドエンジニア |
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| インフラエンジニア/ネットワークエンジニア |
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| セキュリティエンジニア |
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| データサイエンティスト/データアナリスト |
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| ITコンサルタント |
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| プロジェクトマネージャー(PM) |
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| Webデザイナー/UI・UXデザイナー |
|
| その他 |
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IT業界には幅広い職種が存在し、それぞれ求められるスキルや役割が大きく異なります。自分の強みや興味を活かせる分野を見極めることが、長期的にキャリアを築くうえで大切です。
未経験でIT業界に転職する4つのステップ

ここからは未経験でIT業界に転職する4つのステップを解説します。
- 目指す職種・分野を決める
- IT基礎知識やスキルを学ぶ
- ポートフォリオを準備する
- 転職活動を実施する
①目指す職種・分野を決める
まずは、IT業界の中で自分がどの職種を目指すのかを決めましょう。IT業界にはエンジニア、デザイナー、データ分析職など幅広い職種がありますが、「なんとなくITに挑戦したい」というだけでは方向性が定まりません。
たとえば、論理的に考えることが得意なら開発系エンジニア、対人スキルを活かしたいならITコンサルタントといった具合に、自分の強みを踏まえてゴールを設定しましょう。
②IT基礎知識やスキルを学ぶ
目標を定めたら、その職種に必要な知識を学び始めます。初心者の状態で転職活動に臨むよりも、事前に学んでおいた方が企業からの評価は高まります。
ネットワークやクラウド、データベースの基本を理解しておくと入社後もスムーズに仕事ができるでしょう。資格試験の勉強に取り組むのも効果的で、基本情報技術者試験などは入門者向けの登竜門といえます。独学が難しい場合は、スクールや講座に通って効率的に学ぶ方法もあります。
③ポートフォリオを準備する
エンジニアを目指すなら、学習の成果をポートフォリオにまとめておきましょう。簡単なWebアプリやプログラムでも良いので、自分で作った作品を形にして提示できると意欲がある人材として高評価につながります。
GitHubにコードを公開したり、オリジナルのサイトを公開するのもおすすめです。エンジニア以外の職種でも、IT関連の情報をブログで発信したり資格取得に取り組むなど、熱意を示すアウトプットを準備しておくと差別化につながります。
④転職活動を実施する
基礎固めができたら、いよいよ応募に進みます。求人サイトで「未経験歓迎」「ポテンシャル採用」といった条件を探すのも良いですが、効率的なのは転職エージェントの活用です。
IT業界に強いエージェントなら、自分に合った非公開求人の紹介や面接対策も受けられます。応募時には志望動機で「なぜIT業界を選んだのか」を具体的に伝え、前職で培ったコミュニケーション力や課題解決力などの汎用スキルも積極的にアピールしましょう。
以下の記事では、IT転職におすすめのサイトを5つ紹介していますので、あわせてご覧ください。
IT転職を成功させるために取るべき資格

ここでは、IT転職を成功させるために取るべき資格を紹介します。
| 資格名 | 試験形式 | 受験料 | 問題数 | 合格点 | 有効期限 | 試験実施時期 | 受験資格 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 基本情報技術者試験 | CBT方式(科目A:90分、科目B:100分) | 7,500円(税込) | 科目A:60問、科目B:20問 | 各科目60点以上(100点満点) | なし | 通年実施 | 制限なし |
| ITパスポート | CBT方式(120分) | 7,500円(税込) | 100問 | 600点以上(1000点満点) | なし | 通年実施 | 制限なし |
| AWS認定資格 | CBT方式(130分) | 150USD(約20,000円) | 65問 | 非公開(約70%程度) | 3年間 | 通年実施 | 制限なし |
| CCNA | CBT方式(120分) | 42,900円(税込) | 約100問 | 非公開(約80%程度) | 3年間 | 通年実施(月〜土) | 制限なし(年齢制限13歳以上) |
①基本情報技術者試験
IT業界の登竜門として、幅広い技術知識の基礎を体系的に学べる国家資格です。コンピュータシステムやネットワーク、データベース、セキュリティ、プロジェクト管理まで、ITエンジニアに必要な知識を網羅的に習得できることが特徴です。
特に未経験からIT業界への転職を目指す方にとって、企業側が求める最低限の技術的素養を証明できる重要な資格といえます。取得により、システムエンジニアやプログラマーなど幅広い職種への道が開け、多くの企業で評価される信頼性の高い資格として転職時のアピール材料となります。
②ITパスポート
IT業界以外の職種からIT業界への転職を考える際に、ITリテラシーの基礎を証明する入門的な国家資格です。経営戦略やマーケティング、法務など、IT技術を活用したビジネス全般の知識を身につけられることが特徴で、技術職以外のIT関連職種への転職にも活用できます。
特に営業、企画、マーケティング職でITを活用したい方や、エンジニアとのコミュニケーションを円滑に行いたい方には必須の知識が含まれています。基本情報技術者試験の前段階として位置づけられており、段階的にスキルアップを図りたい方にも最適な資格です。
「ITパスポートの資格を短期間で取得したい」という方は、セミナーの受講がおすすめです。以下のリンクから詳細をチェックできるので、ご覧ください。
| セミナー名 | ITパスポート試験対策セミナー |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 0円(無料キャンペーン中) |
| 開催期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京)・ライブウェビナー・eラーニング |
③AWS認定資格
クラウド技術の急速な普及に伴い、企業が最も求めているクラウドスキルを客観的に証明できる世界共通の資格です。AWSは世界最大のクラウドプラットフォームであり、多くの企業がクラウド移行を進める中で、AWS認定資格保有者への需要は高い状況にあります。
Foundational、Associate、Professional、Specialtyの4つのレベルに分かれており、自身の経験とキャリア目標に応じて段階的にスキルアップできる体系的な構成が特徴です。特に「Solutions Architect Associate」や「Developer Associate」は、クラウドエンジニアやインフラエンジニアへの転職において高い評価を受けられるでしょう。
「AWS」は難易度が高く、独学では習得に時間がかかります。そこでおすすめなのがセミナーの受講です。「AWSで始めるインフラ構築基礎セミナー」は、初心者でも短期間で実務レベルを身につけることができます。以下のリンクからチェックしてみてください。
| セミナー名 | AWSで始めるインフラ構築基礎セミナー |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 38,500円〜 |
| 開催期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京)・ライブウェビナー |
④CCNA
ネットワークエンジニアにとって世界標準の登竜門資格であり、実際の企業ネットワークで使用されるCisco機器の設定・運用スキルを証明できる実践的な資格です。
シスコシステムズは世界中の企業ネットワークで圧倒的なシェアを誇るため、CCNA取得により即座に実務で活用できる技術力を証明できることが特徴です。試験内容はネットワークの基礎知識から、ルーティング・スイッチング、セキュリティ、自動化技術まで幅広くカバーしており、現代のネットワークエンジニアに求められる総合的なスキルを習得できます。
IT業界で年収を上げる方法

IT業界は転職成功したから年収が高くなるわけではありません。今の仕事より年収を上げたい場合は、以下3つの点を意識しましょう。
- 職種選びで収入レンジを意識する
- 専門性の高いスキルを習得する
- 資格取得で市場価値を上げる
①職種選びで収入レンジを意識する
IT業界と一口に言っても、職種によって平均年収のレンジは大きく変わります。
たとえば、プログラマーやテスターなど未経験から入りやすい職種は比較的収入が低めですが、経験を積むことでプロジェクトマネージャーやITコンサルタントといった高収入職種にステップアップできます。最初から「どの職種なら年収アップを狙いやすいか」を意識することで、長期的に効率的なキャリア形成が可能です。
②専門性の高いスキルを習得する
年収を上げたいなら、業界で求められる専門スキルを磨くこと必須です。基礎知識だけでは差別化が難しく、AIやクラウド、セキュリティ、データ分析といった成長分野に踏み込むことが重要です。以下のスキルは特におすすめです。
- AI・機械学習
- クラウドスキル
- セキュリティ知識
学習のハードルが高いですが、希少性のある人材として高く評価されやすくなります。
③資格取得で市場価値を上げる
IT業界でのキャリアを考えるうえで、資格は知識やスキルを持っていることを示す証拠です。たとえば、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験といった国家資格は、業界の基礎を理解していることを伝える有効な手段になり、書類選考や面接での評価につながります。
もちろん資格を取ること自体がゴールではなく、学習の過程で得た知識や考え方を仕事に活かせるかどうかが大切です。そのため資格は単なる肩書きではなく、自分の市場価値を高めるきっかけになり、結果的に収入アップやキャリアの幅を広げることにつながるのです。
IT業界での転職についてのまとめ
IT業界は深刻な人材不足や高い平均年収、将来性の高さと柔軟な働き方という3つの魅力を持つため、未経験者にとっても挑戦しやすい分野です。
ただし、成功するには「自分に合った職種を決める」「必要な基礎知識やスキルを学ぶ」「成果を形にしてアピールする」「計画的に転職活動を進める」といった具体的なステップを踏むことが重要です。本記事を参考に未経験からIT転職を成功させましょう。