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【2025】リスキリングとは?意味やDXとの関連性・海外や国内の事例も紹介

社会全体におけるDX化が加速化する中、デジタル社会に対応したスキルを再び身につける「リスキリング」が注目を集めています。

リスキリングは2022年度の流行語大賞にノミネートされるなど、話題を集めている言葉ですが、具体的に何を意味しているのか、なぜ注目されているのかよく分からない方もいるでしょう。

そこでこの記事では、リスキリングの意味やDXとの関連性について詳しく解説します。
記事後半では国内・海外での事例も紹介するので、ぜひこの機会にリスキリングへの理解を深めてみてください。

リスキリングとは

リスキリングとは

リスキリングは、「学びなおし」という意味を持つ言葉です。
一般的には、「スキルを習得する」「職業能力を再開発する」のような文脈で使われています。

リスキリングの語源

リスキリングは、「再び」という意味の「re」と「技能」という意味の「skill」を組み合わせた造語です。

「スキリング(skilling)」はスカンジナビア諸国などの北部ヨーロッパで古来使われていた通貨単位を示す言葉で、技能という意味での正式な英単語ではありません。

「リスキリング(reskilling)」という言葉も同様に正式な英単語ではありませんが、近年のデジタル化が進む中で、AIやITスキルの習得、DXに対応するための能力向上を指す言葉として活用されるようになりました。

リスキリングとリカレント教育の違い

リスキリングと混同されがちな言葉にリカレント教育があります。
このリスキリングとリカレント教育の主な違いは、学びの目的と方法です。

リカレント教育とは、大学などの教育機関で一度学業を終えた社会人が、改めて学び直すことを指します。技術系の職業訓練校やMBA(Master of Business Administration)などをイメージしてもらうと良いでしょう。

一方、リスキリングは、社会の変化に対応するために、自らのスキルや知識を積極的に更新していく学習のことです。一般的には、セミナーやコンサルティングなど、実践的な学びの場でスキルアップを図ることを指します。

リカレント教育のように、大学などの正規の教育機関での学び直しはリスキリングには含まれません

リスキリングが注目されるようになった背景

リスキリングが注目されるようになった背景

日経新聞朝刊のトップページに「リスキリング」と大きく掲げられるなど、もはやリスキリングは市民権を得たともいえる言葉です。しかし、いつから現在のようにリスキリングが注目を集めるようになったのでしょうか?

以下では、リスキリングが注目されるきっかけとなった事項について解説しましょう。

①ダボス会議での提唱

世界経済フォーラム(ダボス会議)は2020年1月、「リスキリング革命」を発表しました。

これは、いわゆる「第4次産業革命」を迎えた現代社会において、デジタル変革に対応可能な人材開発の重要性を世界に示したものです。具体的な取り組みとして、2030年までに世界で10億人に新たなスキルと教育機会を提供することを目指していると発表しました。

プロジェクトには世界各国の政府や、PwC、セールスフォース、リンクトインなどの大手企業が参画し、教育プログラムの提供や資金援助を実施。日本でも経済産業省が「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」を設立するなど、国を挙げての取り組みが始まっています。

②岸田前首相の所信表明

2022年10月、岸田前首相は第210臨時国会の所信表明演説において、個人のリスキリング支援に5年間で1兆円を投じる方針を表明しました。具体的には、年功序列型からジョブ型雇用への移行を見据えた、日本の労働市場の構造改革を目指す施策として表明しています。

同時に、企業間や産業間での円滑な労働移動を促進するため、2023年6月までに指針を策定することも発表。これは、政府が重きを置いている取り組みである構造的な賃上げ、および円安・物価高化への対応措置に加えた三本柱の一環として施行されました。

つまり、リスキリングにかかわる人材投資を賃上げや物価高対応策と一体的に改革することで、持続的な経済成長実現、および好循環の創出を目指すという施策です。

ジョブ型雇用:労働時間ではなく成果に基づいて評価する雇用形態

リスキリングとDXの関連性

リスキリングとDXの関連性

近年、私たちの生活や働き方を大きく変えている「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉を頻繁に耳にするようになりました。

このDXはリスキリングと深い関連を持っています。

DXとは

DXとは、企業がITやAIなどの最新技術を使って、仕事の方法やビジネスそのものを根本から変革し、新たな価値を創出する取り組みのことです。

DXの進展に伴い、企業はデジタル技術を活用したデータ分析、AIの活用、システム開発など、新たなスキルを持った人材を必要とするようになっています。

このような状況下で注目されているのが「リスキリング」です。
近年では、国でもリスキリングの重要性を強く認識するとともにリスキリングに対する公式な見解を示しました。

経済産業省によるリスキリングの定義

経済産業省では、リスキリングを単なる「学び直し」ではなく、DXの進展、およびそれに伴う社会の変化に対応し、持続可能なキャリアを築くための戦略的な行動であると位置付けています。

2021年2月26日に経済産業省が公表した「リスキリングとは」による定義は以下の通りです。

新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること
・ビジネスモデルや事業戦略が変わるなら人材戦略も必然的に変わる
・DX時代の人材戦略=リスキリング

引用元:経済産業省「リスキリングとは」

これらの定義から分かるように、リスキリングはDXと深く結びついています。
DXによってビジネスのあり方が根本的に変化し、同時に求められる人材も大きく変わっていく中で、リスキリングは企業が生き残るための必須の戦略と示されているのです。

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リスキリングでキャリアアップする手段として、さまざまな業界でエクセル関連資格が注目されています。エクセルの資格については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひこの機会にエクセル資格についての理解を深めてください。

【2025】Excelのスキルを証明できるおすすめ資格5選!特徴や難易度を紹介!

リスキリングにおすすめの転職エージェント

リスキリングにおすすめの転職エージェント

リスキリングは、新たなスキルを身につけてキャリアを転換したい方にも有効な手段です。
全く異なる業界や職種に挑戦したいと考えている方でも、リスキリングを通じて専門性を高めると新たな可能性が開けます。

以下では、リスキリングにおすすめの転職エージェントを紹介します。

①ジョブテック for CAD

ジョブテック for CAD 「ジョブテック for CAD」は、CAD業界に特化した転職支援サービスです。
機械設計やCADオペレーターなど、大手転職サイトには掲載されない非公開求人を多数保有し、CAD業界に精通したエージェントが一人ひとりのスキルや目標に合わせて求人紹介から就職までトータルサポートしています。

同社の紹介で就職が決まった場合、提携教育サービスを実質無料で利用できるため、リスキリングとして新たなスキルを習得し、着実なキャリア転換したい方におすすめです。

②ジョブテック for 建築業・土木業

転職支援サービスジョブテック for 建築業・土木業 「ジョブテック for 建築業・土木業」は、建築・土木業界に特化した転職支援サービスです。
業界独自の非公開求人を多数保有し、専門知識を持つキャリアアドバイザーが転職をサポートしています。

同社の求人で就職した場合、提携教育サービスやセミナーは無料で利用できるので、転職を視野に入れて効率的なリスキリングをしたい方に最適です。建築士や土木設計技師など、求人の職種も豊富にそろっています。

③ジョブテック for 製造業

ジョブテック for 製造業 ジョブテック for 製造業は、製造業界に特化した転職支援サービスです。
業界独自の非公開求人を豊富に保有し、製造業に精通したエージェントが転職をサポートしています。

リスキリングに効果的なセミナーを実質無料(同社の紹介で就職が決まった場合)で利用できるので、機械設計エンジニアや製造プロセスエンジニアを目指す方にもおすすめです。

転職を視野に入れたリスキリングを目指す方は、以下の記事もご参照ください。
各分野に特化した転職エージェント、総合型転職エージェントなど幅広く紹介しています。

【2025】転職を成功させるコツは?おすすめ転職エージェントや利用時の注意点も解説

海外のリスキリング導入事例

海外のリスキリング導入事例

続いて、実際にリスキリングを導入している企業を紹介しましょう。
まずは、海外企業大手3社からお伝えします。

企業名 主な取り組み 目的・成果
AT&T リスキリング「ワークフォース2020」を立ち上げ
  • プログラム参加者のデジタルスキル向上
  • 離職率の低下
Amazon アメリカのAmazon従業員10万人へのリスキリング
  • 一人ひとりのキャリア向上
  • 幅広い人材のデジタルスキル習得
Walmart VRを使ったリスキリングを導入
  • 小売業に特化したデジタルスキル向上
  • 店舗を活用した効率的なリスキリング

①AT&T

アメリカの通信業界大手のAT&Tは、リスキリングの先駆け企業として知られています。

同社は、2008年の時点で、全従業員25万人中の約半数が自社で必要なスキルを持っておらず、さらに10万人近くが10年後に淘汰されるであろうハードウェア系スキルしか保有していないことを認識しました。

この課題に対応するため、2013年から「ワークフォース2020」を立ち上げ、10億ドルを投資して10万人規模のリスキリングを実施。その結果、現在では技術職の8割以上を社内で対応できるようになりました。

プログラム参加者は、非参加者と比較して以下のような成果を上げました。

  • 評価:1.1倍向上
  • 表彰:1.3倍向上
  • 昇進:1.7倍向上

同時に離職率も大幅に低下しています。

②Amazon

EC大手のAmazonは、2025年までにアメリカのAmazon従業員10万人を対象としたリスキリング計画を展開しています。

同社は、一人当たり約75万円という巨額な投資を行い、非技術系の社員を技術職へと育成する「アマゾン・テクニカル・アカデミー」と、既存のIT技術者向けにAIなどの先端技術を習得させる「マシン・ラーニング・ユニバーシティ」を実施しました。

このように、従業員一人ひとりのキャリア向上を目的に、大規模な投資を行うことできめ細やかな人材育成を行い、デジタル時代に適応できる人材の育成を積極的に進めています。

③Walmart

小売業界最大手のWalmartは、独自の革新的なリスキリング施策を実施しています。

同社のリスキリングでは、VR(バーチャルリアリティ)技術を活用した研修プログラムを導入しました。このプログラムは、店舗スタッフが実際の店舗で「ブラックフライデー」などの特別セールや災害時の対応をバーチャル環境で体験できます。

また、EC戦略の一環として導入した「ピックアップタワー」の操作訓練もVRで実施するなど、デジタル時代の小売業に必要なスキル習得を効率的に進めています。

国内のリスキリング導入事例

国内のリスキリング導入事例

国内でも、数多くの企業がリスキリングを導入しています。以下では、日本を代表する電気総合企業2社をご紹介します。

企業名 主な取り組み 目的・成果
日立製作所 グループ全社員に大規模なDX人材育成プログラムを実施
  • 社員全体のデジタルスキル向上
  • IoTソリューションの創出
富士通 DX化推進に向けて専任チームを発足
  • デジタル領域での成長加速
  • 社員全体のDXスキル向上

①日立製作所

日立製作所は、2020年より、国内グループ企業の全社員約16万人を対象とした大規模なDX人材育成プログラムを開始しました。

基礎的なリスキリング「デジタルリテラシーエクササイズ」は、日立アカデミーが提供するeラーニング形式の全4講座で、DXの基礎や課題解決を効率的に学ぶというシステムです。

講座は30分から2時間で構成され、製造現場やスタッフ部門など、多様な職種で対応力を強化することが狙いです。この教育を通じ、ITとOTを融合したソリューションの創出を目指し、社員全体のスキル向上を図っています。

②富士通

富士通は、DX企業への転身を目指し、500名の専任チームを編成し、2022年度までに2,000人体制への拡大を計画しています。

同社は、AIや5G、IoTなどを重点領域に設定し、内部研修や外部リソースを活用した教育プログラムを実施。ジョブ型人事制度とも連動し、社員のDXスキル向上を支援。社員の能力を最大限引き出し、デジタル領域での成長を加速させています。

これらの施策により、2022年度には売上高3兆5000億円、営業利益率10%を達成し、年率10%の成長を目標として掲げました。時田社長は、「お客さまへの貢献を通じて富士通の持続的な成長を遂げていきたい」と表明しており、DXを軸とした事業変革に強い意欲を示しています。

リスキリングについてまとめ

リスキリングは、デジタル社会が加速する現代において、もはや必須の要件となりました。本記事でも紹介したように、国内外の多くの企業がリスキリングに力を入れ、イノベーション創出や競争力強化を実現しています。

リスキリングは、個人でセミナーなどを利用して学習するスキルアップ方法の一つです。
近年は、リスキリングで利用する学習サービスが多様化してきました。

中には実質無料でセミナーを受講できる転職エージェントもあるので、多彩な選択肢に目を向けて自分に合った方法でリスキリングにチャレンジしてみましょう。

ぜひ、上記から希望に適したエージェントや学習サービスをお選びください。

【2025】リスキリングとは?意味やDXとの関連性・国内・海外での事例も紹介
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